研究分担者 |
小河原 義朗 国立国語研究所, 日本語教育センター・第一研究室, 研究員 (70302065)
鈴木 淳子 東北大学, 大学院・文学研究科, 教授 (50265518)
川添 良幸 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (30091672)
井口 寧 北陸先端科学技術大学院大学, 情報科学センター, 助手 (90293406)
神山 博 青森公立大学, 経営経済学部, 講師 (00224684)
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研究概要 |
本研究の目的は,仕事の忙しさや居住地の関係上,教室で学ぶ機会のない学習者に対し,双方向通信を活用して1)異文化コミュニケーション上の問題が生じ易い場面・状況について,2)映像による学習素材を提供し,言語形式・言語行動について学べる教材を作成する。3)発音学習指導も視野に入れたマルチメディア学習支援システムを開発する。同時に4)活用しやすい映像データベースのあり方についても検討し,その基本形を打ち出すことである。 平成11年度は,映像データベース作成に向けて,異文化コミュニケーション上の問題が生じやすい場面や,外国人学習者にとって遭遇可能性の高い場面で,非言語情報等が理解に関与するものを洗い出し,何種かのシナリオを試作した。次にシナリオに基づいて演じたものをデジタルビデオカメラで収録し,ゴンピュータに取り込んで,カメラアングルやライティングなどの撮影技術上の問題や音声の質など,映像データ作成の基礎的な条件設定を吟味した。 平成12年度は,前年の映像試作と目的1)2)を踏まえ,母語や母文化を特定しない外国人日本語学習者が異文化コミュニケーション上の問題を意識できる内容で,しかも,学習するべき言語形式・言語行動を映像で提供することに意味のある非言語情報を含む言語行動として,「あいづち」と「割り込み」を取り上げた。映像をコンピュータ上に取り込む際には,ビデオクリップ作成方式と画質の関係,日本語教育の世界的なハードウエア事情を勘案し,まずはmpeg 1形式を採用することにした。 ウェブ上に作成したページから「あいづち」学習と「割り込み」学習にアクセスできるよう配置し,学習者の要求に応じて映像,会話の書き起こし,解説を提供するようにした。ここまでの成果は,2001年6月末と8月初め,9月初めに,オーストラリア,金沢,イギリスで開催される学会で発表する。
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