研究概要 |
本研究では毒性試験として,(ア)Mouse lymphoma assay,(イ)代謝協同阻害試験,(ウ)細胞転換試験,のそれぞれについて,バリデーション研究での統計解析法を提案し,かつそれに基づいた解析を行った.代謝協同試験と細胞転換試験については,バリデーション研究に取り入れるべき化学物質の種類とそれが持つべき特徴について検討した. このうち,(ア)については大森崇,林真,本間正充(国立医薬品食品衛生研究所)と併せて4人の共著論文を作成し,2001年3月にサンディエゴで行われたワークショップで口頭発表を行った.そこでの討論結果にもとづいて内容を再整理し,Mutation Research誌に投稿する予定である.(イ)については岩瀬裕美子(三菱東京製薬)らと共に新たなバリデーション研究の試験計画を作成した.このバリデーション研究は現在も進行中である.(ウ)については実験に供すべき化学物質の選択法を提案し,結果として得られたデータの解析を行った.研究結果として,土屋敏行(昭和電工)を第1著者とした論文を公刊した. 薬理試験では,データを単純な検定で解析するのでなく,モデルを設定して解析することを提案し,研究成果を山田俊介(現,山之内製薬)の修士論文としてまとめた.また,内分泌攪乱物質に関する実験の計画と解析に寄与をして,松永信人(現,協和発酵)菅野純(国立医薬品食品衛生研究所)と3人共著の学会発表を本年4月に,日本計量生物学会で行う予定である.さらに,個体差に混合模型を想定した解析について,吉田哲(東京理科大学)が修士論文をまとめた.
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