| 研究概要 |
本研究では,WWW技術を融合したソフトウェア要求獲得方法論と,再利用可能な要求仕様パターン部品と方法論を支援するツールの開発を行った.具体的な研究成果を以下に示す.
1.要求仕様のコンポーネント化・WWW化:ユースケース記述やシナリオ記述の事例研究をもとに,再利用可能なユースケースコンポーネント,ユースケースパターン,シナリオパターンの抽出を行った.抽出過程を分析し,どのようにしてコンポーネントやパターンを抽出するかの方法論(ユースケースのパラメータ化,汎化・特殊化関係や集約関係による構造化,データ依存・制御依存関係による構造化,格文法に基づくパターン化)を構築した.
2 パターンのオブジェクト指向的モデル化とその実動化:抽出した再利用可能なパターンをその構造と再利用する際の操作として捉え,それらをカプセル化しオブジェクト指向的にモデル化する手法を考案した.パターン同志の組み合わせや進化のモデル化のための形式的手法も考案した.さらにパターンをWWWからもアクセス可能なようにJavaを用いて記述し,パターンを使用した開発のための支援ツールのプロトタイプを作成し,その評価を行った.
3.要求分析方法論の構築支援ツールと要求分析支援ツールの生成:要求分析方法論を部品化しておき,それらをWWW上で取り出して,組み合わせることにより,開発プロジェクトの性質にマッチした新しい分析方法論を構築するツールの開発を行った.方法論に合わせて要求分析支援ツールが生成され,要求獲得作業の支援はWWWのナビゲーションページが,プロダクトの入力編集支援は汎用ダイヤグラムエディタをカスタマイズした専用エディタが生成される.
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