研究概要 |
本研究では,メディア処理向け高性能組込みシステムの実現に向けて,主に高速化アーキテクチャおよび低消費電力化の観点から研究を行った.画像コーデックシステムの高速化とその実現のための各種技術に関わる研究開発を行った. 画像コーデックシステムの高速化に関しては,汎用組込み用プロセッサによる画像処理アルゴリズム実行の解析結果を加味して,プロセッサ内部に高速実行可能な演算器を搭載し専用演算命令を追加すると共に,メモリアクセス機構に対して,画像や音声を効率よく処理する機能を追加し,マルチメディア処理がプロセッサコアに及ぼす性能劣化を低減させる手法を考案した.具体的にはTensilica社のXtensaプロセッサコアを用いて,プロセッサのコンフィギュレーションを変化させながら,メディア処理を実行するための並列演算命令を追加して高速化した.また,バーチャルチャネルメモリのチャネルレジスタを効率的に利用してベクトル化演算実行を行う機構を構築し,比較的大規模な単位の演算を高速化した. また,この実現のための基盤技術として, ・画像・音声コーデックの低電力VLSI化設計 ・低メモリバンド幅画像コーダの実装 ・低電力オーディオデコーダの設計 ・組込み向けハードウェア暗号アルゴリズム ・汎用処理向け並列アーキテクチャ に関する研究開発も平行して遂行した.
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