| 研究概要 |
本研究の目的は,オブジェクト指向地図データベースにおけるビューを提供する機能と拡張性を実現する機能を統合し,利用者に対して仮想的にデータベースを再構築する機能を提供することを実現するものである.
まず,ビューを利用目的,地図の範囲(地域),情報レベル(地図の縮尺に相当)の三つにより規定することを提案した.オブジェクト指向地図データベースにおけるビューのインスタンスを構成する要素として,それを構成するオブジェクトの集合(ドメインと名づける)とオブジェクトの振る舞い(アピアランスと名づける)を挙げた.利用目的,地図の範囲,情報レベルのそれぞれはそれらが規定するドメインとアピアランスを持っており,地図データベース全体のビューのインスタンスはそれらを合成したものとして定義される.
このモデルに基づき,ビュー生成の機構を設計した.これは、ドメインを指定する部分と,ドメインに含まれるオブジェクトのアピアランスを指定する部分より成る.更に,ビュー生成機構はここで指定されたドメインとアピアランスに基づきProxy Objectを生成する.利用者は,このProxy Object対してデータベースの操作を行い,この操作はProxy Objectによりデータベースオブジェクトへ伝えられる.
また,仮想的に再構成されたデータベースには,拡張オブジェクトを含むことができる.拡張オブイジェクトは,利用者に必要な拡張部のみを持ち,それ以外はProxy Objectに委譲する.これにより,利用者はProxy Objectと拡張オブジェクトの集合を仮想的に再構成されたデータベースと見ることができる.
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