研究概要 |
マルチメディアデータの内容記述様式がMPEG-7として標準化されたが,MPEG-7は検索手法については触れていないので,効率的なマルチメディア検索システムの開発提案が各研究機関で行なわれている.本研究でも,画像やビデオなどのマルチメディアの検索手法として,特にユーザとのインタラクティブ性に注目して,効率的な方法を提案し,検索システムを作成した. まず最初に,インタラクティブな検索にはデータの視覚化によるブラウジングが有用と考え,画像やビデオの視覚化法としてグラフスペクトル法に基づく手法を開発した.この際,画像やビデオの特徴ベクトルは非常に高次元であり,ディスプレイでの表示は2次元か3次元であるので,効率的な次元圧縮が必要となる.このため,データ間距離の性質を利用した線形次元圧縮法を開発し,これによって高速で高性能なデータ表示が行なえるようになった.一方インタラクティブな検索では,類似検索も高速である必要がある.一般に高次元データの類似検索は計算量が多く,リアルタイムに応答するには効率的な高速化が必要となる.これについても,データの距離の性質を利用したフィルタリング検索法を開発し,リアルタイム応答に十分な高速性を達成できた. 以上の類似検索法とデータ表示法とに基づいて,ユーザのクエリ選択と検索結果表示をインタラクティブに進めていく画像検索システムをVRMLを用いて作成し,ユーザビリティの高い検索が行なえることを実証した.また同様な検索手法をビデオにも応用し,ビデオをクエリとして類似ビデオを検索するシステムを開発した.
|