研究概要 |
フイールド上方に設置したビデオカメラ(グローバルビジョン),ホス卜PC1台(リモ-トブレイン群,画像処理サーバ,通信中継サーバ),ホストPCに内蔵された画像処理専用ボード1枚,ホストPC用無線通信装置1台,ロボット本体5台から構成されるロボットシステムを完成させた.また,画像処理,通信,ロボット制御に必要なソフトウエアもC++やアセンブラ言語を用いて開発し,完成させた.本システムのロボットは,リモートブレイン群によるマルチエージェントシステムにより制御されている.本ロボットシステムの性能評価のために,ロボットサッカーの競技会であるRoboCup(The Robot World Cup Soccer Games and Conferences)に参加した,その結果,国内大会において準優勝1回('99),優勝2回('00,'01),世界大会においてベスト8位('01)という成績をあげた. また,ロボット制御アルゴリズムに関しては,正方格子状のシンプルな仮想的ロードマップを用いた経路計画法を考案した.あるグラフ上に限定された中での最短経路ではあるが,高速に探索できる利点がある.特に,方向転換時に要する時間的コストをも考慮した探索が可能である. 上記以外に,離散最適化問題としての移動ロボットの走行誘導方式と経路計画方式とを考案した本手法は,従来からあるポテンシャル法において,各時刻ステップにおいて位置・姿勢の推定問題と行動計画問題とをそれぞれ別の離散最適化問題として定式化し,各問題の目的関数中の重みパラメータを強化学習の一種である方策勾配法により,実機ないしはシミュレータ上で学習するという方式である.パラメータの学習則の有効性はシミュレーション実験を行うことにより検証した.また,複数台のロボットの経路計画法としても応用が可能である.
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