研究概要 |
研究の目的 CORBAに代表される分散オブジェクト技術の普及は計算機システムの自律分散化を可能にした.このような環境を最適に利用できるような,複数の組織にまたがるワークフロー(以下,インターワークフロー)の記述モデルを解明し,そのモデルに基づくインターワークフロー支援システムを試作する. 研究成果 従来のインターワークフローは,組織間で仕事の依頼関係が固定した連携業務を対象にしていた.これに対し,本研究では,仕事の依頼関係を柔軟に変更可能な連携業務をも支援可能とすることを目的とする.このため,従来のワークフローサーバ/クライアントが固定したモデルではなく,ワークフローを制御・調整するWfCoordinator,ワークフローの単位作業であるタスクを実行するWfExecutor,およびプロセス定義データを管理・配布するWfDistributorからなるワークフローモデルを考案した.WfExecutorはタスクを自身で実行するだけでなく,自身が下位階層のWfCoordinatorとなり,新たにWfExecutorを割り当ててタスクの実行をゆだねることもできる.その場合に,タスクを分解して,複数のWfExecutorに割り当てることも可能である.このようなワークフロープロセスのダイナミックな変更のために,WfExecutorは,WfDistributorからプロセス定義データを入手した上で,WfCoordinatorとなる.また,このプロセス定義データをXML形式で記述する定義言語を開発した. 本研究では,提案したワークフローモデルを導入したエンドユーザ向けの企業間電子商取引システムの試作と,その実現性の確認を行った.本試作システムは,エンドユーザの要求に応じて,組織間の連携関係を部分的に追加,解消,変更することを特徴とし,それにより迅速かつ柔軟な組織間連携を実現可能としている.
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