研究概要 |
本研究では,今後,インターネット上で急速に普及すると考えられるXML文書に基づく情報システムの基盤として,XMLが提供するハイパーテキストの柔軟性と操作性を生かすと同時に,従来のデータベースシステムが提供してきた一貫性管理機構やマルチメディア情報に対する十分な操作機能を有したシステムアーキテクチャを開発することを目標に研究し,以下の成果を得た. ・マルチメディア情報インターフェイスのための3次元表示品質の改善各種情報の直観的把握に有用な3次元表示において,その表示品質を左右するシェーディング技法の改善を行った. ・Webベース情報システムの設計試作マルチメディアコンテンツのシームレスな利用を可能にするための問題点を明らかにするために,災害情報をWeb上で集積発信するための情報管理システムONIGIRIを設計・試作を行った. ・クラスタサーバによるビデオ動画像サーバ動画像コンテンツを利用する場合,ネットワーク・トラフィックやディスクI/Oの負荷集中を避けるために,分散並列サーバ構成を取り,各クライアントからのアクセスを適切に分散させることが必要となる.そこで,動画像データをネットワーク上に送出するビデオサーバの基本アーキテクチャとして,Linuxクラスター型分散並列サーバ構成が利用可能かどうか検証するために,Linuxクラスタ計算機による動画像サーバの構築のための調査と予備実験を行った. ・ハイパーメディアコンテンツの開発支援環境と利用者環境ビデオデータなどの時間情報を含むハイパーメディア文書をXML文書(SMIL形式)として記述するにあたり,その編集作業を複数人数で分散協調的に行えるための編集ツールを設計し,そのプロトタイプを開発した.また,ビデオコンテンツアクセスのための,アクセス制御機構の基本設計と試作システムの開発を行い,極く初期段階のプロトタイプシステムを稼働させた.
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