研究概要 |
複雑に依存しあう実社会の様々な意思決定状況における最適化は,ファジィ情報のもとでの,大規模多変数でしかも複数個の相競合する目的を有する複数人の意思決定者の意向を考慮して行わなければならないことに着目して,大規模多目的多重レベル最適化問題を定式化するとともに,対話型ファジィ満足化手法を提案する. このように本研究では,(1)現実の意思決定状況のファジィモデリングによる多重レベル最適化問題を,線形のみならず線形分数,離散,および非線形性をも考慮した様々な観点からの定式化を進め,(2)ファジィ環境で定式化された多重レベル線形,線形分数,離散,および非線形計画問題に対する上位レベルと下位レベルの意思決定者の間の対話をも考慮した対話型ファジィ意思決定手法を確立し,(3)産業界における様々な状況での幅広い活用を試みる. 本研究課題では,さまざまな意思決定状況に対して,意思決定者の選好情報を考慮した多目的およびファジィ環境における多重レベル意思決定問題に対する対話型意思決定手法の開発とその応用に焦点が当てられている. 本研究課題における個別の研究は次の4種類のテーマに分類される. 具体的には次の4つの段階で進めた. 1.ファジィ環境における多重レベル線形計画問題に対する対話型ファジィ意思決定に関する研究 2.ファジィ環境における多重レベル線形分数計画問題に対する対話型ファジィ意思決定に関する研究 3.ファジィ環境における多重レベル0-1計画問題に対する対話型ファジィ意思決定に関する研究 4.ファジィ環境における多重レベル非線形計画問題に対する対話型ファジィ意思決定に関する研究 上記の研究のそれぞれについては,得られた成果は論文として学術雑誌に掲載されるとともに,いくつかの国際会議での研究発表を行った.また,以前から進めていた研究と関連するテーマは図書"Large Scale Interactive Fuzzy Multiobjective Programming"としてまとめた.
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