研究概要 |
超短パルス,高出力なレーザーの出現により,高密度プラズマの生成が容易となった。最近,プラズマ応用の分野では電磁波の周波数上昇(frequency up-shifts)および,電磁波の放射(radiation)に関する研究が盛んである.最初に電磁波の周波数上昇について理論的な提案があった。相対論的速度を持つ過密度プラズマ(overdense plasma)が対向して入射する電磁波を反射する現象である。反射電磁波はドップラー効果(Doppler effect)により周波数が上昇する。しかし,このような高密度プラズマの生成は技術的に容易ではないが,最近実験例が報告された。 上述の現象は,プラズマ化の前後で初期電磁波は空間的に固定される。その結果,プラズマの存在により周波数が上昇する。従って,初期電磁波を静電場に置き換えても,フラッシュ電離と同様の機構による周波数上昇が期待できる。静電場で置き換えた場合は周波数0からの上昇であり,電磁波の放射を意味する。これを"超光速電離面を用いたDARC(Superluminous DARC)"という。超光速電離面を用いたDARCでの電磁波の放射は,相対論的電離面が静電場に沿って走る"DARC"とは異なる。この場合,"DARC"における静電場に対して,レーザー光を側面から照射する。つまり,電離面の速度が等価的に光速より大きくなったと解釈できる。 本研究では,超光速電離面による電磁波の周波数上昇に関する実験と既存のマイクロ波パルスからレーザー生成過密度プラズマを用いて短パルスマイクロ波の原理実証実験を,高出力のNd:YAGレーザー(266nm,100mJ,6ns(FWHM)【greater than or equal】64nm)を用いて行った。
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