研究課題/領域番号 |
11680490
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
プラズマ理工学
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
進藤 春雄 東海大学, 工学部, 教授 (20034407)
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研究分担者 |
犬島 喬 東海大学, 工学部, 教授 (20266381)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2000年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1999年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | シリコン酸化膜 / 酸素負イオン酸化 / 素子分離用酸化膜 / 高速シリコン酸化 / 低損傷酸化膜 / 低温シリコン酸化 / サブオキサイド / プラズマプロセス |
研究概要 |
シリコン集積回路(LSI)の集積度向上を計る上で重要な素子分離用絶縁膜の新形成法として、酸素負イオンによる低温・高速・低損傷シリコン方向性酸化の研究を2年間にわたり実施した。その結果、以下のような有用な成果を得た。負イオンの基礎特性として、酸素負イオンはプラズマダウンストリームにおいて効率的に生成され、酸素圧力につても最適値のあることをプローブ計測および四重極質量分析より明らかにした。酸素負イオン照射によるシリコン酸化特性では、酸化反応速度が従来の熱酸化に比べ10倍以上、正イオンに比べ3倍以上もの高速で、これは酸素負イオンの構造がラジカルに類似していることに依る。また、負イオンをシリコン基板に効率的に照射するため基板バイアスの周波数依存性を調べた結果、イオンプラズマ振動数近傍で酸化速度が最大となることを明らかにした。一方、XPSによる酸化膜膜質評価では、シリコン一酸素間結合が不十分なサブオキサイド量の少ない良質な酸化膜であるとの結論が得られた。 さらに本酸化膜形成技術の実用的側面に検討を加えるため、サブミクロンサイズのシリコントレンチ内部の各部位について酸化特性を調べた。その結果、幅0.18ミクロン、深さ0.35ミクロン(アスペクト比2)のシリコントレンチにおいて、直流および高周波基板バイアスによる酸素負イオン照射で酸化膜を形成した場合、トレンチ側壁に対するトレンチ底部の酸化速度の比すなわち酸化の異方性はラジカル酸化の場合の3倍にも改善され、トレンチ底部の酸化速度は75A/hと高速であった。基板バイアスがない場合のラジカル酸化ではトレンチ側壁に対する底部の異方性は0.5以下とトレンチ底部の酸化は極めて困難であるのに対し、酸素負イオンを照射することによりトレンチ底部の酸化特性を大幅に改善出来ることが実証された。以上のことより本研究におけるシリコン酸化膜形成技術は次世代集積回路の素子分離層やMOSトランジスター絶縁膜の形成実プロセスに応用できることを実証し、今後本技術の実用化が期待できることを明確にした。
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