研究概要 |
1.筑波大学ガンマ10装置で稼働中のミリ波二次元イメージング(撮像)装置の高信頼化を図り,ヘテロダイン干渉計としての位相イメージング,ヘテロダイン受信機としてのECEイメージングの同一ショットでの測定が常時可能となった。 2.アンテナ,ショットキーバリアダイオード,中間周波数アンプが一体化したモノリシック検出器の設計・製作を企業研究機関との協力で推進した。ヘテロダイン応答テストが70-140GHzの領域で行われ,中間周波数1-10GHzの広帯域特性を確認した。これは,従来使用していたハイブリッド検出器と比較して,約1桁の向上となる。 3.ミリ波イメージング装置を核融合科学研究所大型ヘリカル装置(LHD)に適用するべく,回転楕円鏡および平面ミラーから構成される準光学結像系を設計・製作した。設計には光線追跡計算が利用されている。エアリーパターンの測定にも成功し,理論値に良く一致する収差の少ない光学系が実現していることを証明した。 4.上記システムを,核融合科学研究所大型ヘリカル装置(LHD)に設置し,測定を実施した結果,2検出器同時かつ1〜4GHzの中間周波数チャンネルでECE(電子サイクロトロン放射)信号を検出することに成功した。 5.周波数変調波および超短パルス波を用いた反射計を高周波励起プラズマに適用し,プロセス用プラズマの密度分布モニターとして極めて有効であることを実証した。特に後者では,パルス幅30ピコ秒のインパルスをプラズマに入射し,反射波波形を直接取り込み,ウエーブレット変換あるいはトモグラフィー的解析法を利用することにより,プラズマの動的振舞いを画像表示することに成功した。
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