研究課題/領域番号 |
11680516
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
原子力学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
誉田 義英 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (40209333)
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研究分担者 |
吉田 陽一 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (50210729)
西嶋 茂宏 大阪大学, 大学院・工学研究所, 教授 (00156069)
田川 精一 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (80011203)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2001年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
2000年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1999年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | 陽電子 / ポジトロニウム / レーザー同期 / 複合照射 / パルスビーム / 電子ライナツク |
研究概要 |
ポジトロニウムと物質との相互作用を、短パルス陽電子ビームとレーザーを用いて調べることを主目的とし、これまで高密度短パルス陽電子ビームの生成と高計数率を有する短パルス陽電子ビームの生成を2台の電子線形加速器を用いてそれぞれ行ってきた。一方、レーザーとの同期については同期実験用パルス発生器を作り、短パルス陽電子ビームが得られれば、実験できる状態にある。 高密度短パルス陽電子ビームを生成する目的は、物質中でのポジトロニウムを極短パルスレーザー(≦50fs)を用いて励起し、脱励起に伴う光のエネルギーを測定することで、物質中のポジトロニウムの状態を知ることである。現有のLバンド電子ライナック(最大エネルギー38MeV,パルス幅20ps)を利用した装置の設計・製作・実験を行った。この結果、陽電子ビーム像については陽電子生成部から同時に来る電子の影響で、明瞭に観測できなかったが、エネルギースペクトル測定から目的とする陽電子量はパルスあたり約2500個、また時間幅は約20ns(半値幅)であることがわかった。これらは計算結果と比較すると著しく悪く、これは陽電子ビーム像が確認できなかったことが最大の原因だと考えられる。 Sバンド電子ライナックを用いた、通常の陽電子パルスビームを用いた実験では、物質を構成する分子をレーザーを用いて選択的に励起することで、ポジトロニウムが特定分子と選択的に消滅していくかどうかなど、陽電子の消滅過程を調べることができ、興味深い。この目的に対して装置の改良を行った結果、時間幅約370psの陽電子パルスビームを得ることができた。このような目的には試料として構造の揃っている高分子膜や誘導体などがよいため、これらについて、まず陽電子寿命測定など、消滅γ線計測を行っており、今後レーザーとの複合利用を行う予定である。
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