研究課題/領域番号 |
11680525
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境動態解析
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
野村 哲 群馬大学, 社会情報学部, 教授 (20008155)
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研究分担者 |
阿部 淳一 筑波大学, 農林学系, 助手 (40292510)
徳増 征二 筑波大学, 生物科学系, 助教授 (80092526)
石川 真一 群馬大学, 社会情報学部, 講師 (80251015)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2000年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1999年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | 火山性地形 / 高山植生 / 菌根菌 / 落葉分解菌 / 爆裂火口 / ハイマツ / コマクサ / 構造土 / 火山地形 / 火山植生 / 協調的保全 |
研究概要 |
本年度は火山性地形と植物・菌類の分布パターンの関係を解明するため、以下の3つの解析を行った。 1.爆裂火口(空釜)における植物の垂直分布の逆転現象の成立要因の解析。 2.構造土とコマクサの分布パターンの関係の解析。 3.高山植物に共生する菌根菌と、ハイマツの落葉を分解する菌類のフロラ解析。 1.空釜は、本白根山山頂直下に位置する爆裂火口で、直径約300m、最底部の標高は2076mで、周囲に40〜50mの壁が立ち上がる。1999年、2000年7月・9月に当地において測量と踏査により植生調査を行い、植物の垂直分布が逆転していることを明らかにした。1999年10月〜2000年月まで気温(積雪中は雪の温度)を連続測定した。火口底部において2000年9月に土壌断面調査を行った。 これらの結果、植物の垂直分布の逆転現象の原因は 1)温度勾配の存在。冬期に中腹の温度が高く、夏期に底部の気温が高い。 2)底部土壌は未熟すぎ、また含水率が高いのでハイマツの生育に不向き。が考えられる。 また、空釜周壁にはいたるところに崩壊地がみられるので、 3)周辺崩壊地からの土砂の流入により、底部には亜高山性草原しか成立できない。ことも考えられる。 2.空釜火口底部では線状構造土がみられ、コマクサがこの上に生育している。空釜火口底部において、2000年7月と9月に構造土とコマクサの分布を調べたところ、コマクサは線状構造土の礫質部にのみ生育していることが明らかになった。構造土はその形成過程で土壌が凍結・融解をくりかえし、細かい粒質部ほどよく移動して形成されている。つまり、構造土の砂質部においては、たとえコマクサが一時的に侵入することがあっても、こうした土壌の移動によって根が浮き上がり、死亡する場合が多いと考えられる。 3.調査地の植物のおよそ8割から菌根菌が分離され、遷移初期の共生関係の重要性が確認された。またハイマツ落葉の分解菌フロラは、調査地が亜高山帯であるにもかかわらず、日本の高山地帯のそれとほぼ一致することが明らかになった。
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