研究課題/領域番号 |
11680535
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境動態解析
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
丸田 恵美子 東邦大学, 理学部, 助教授 (90229609)
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研究分担者 |
梶 幹男 東京大学, 大学院・新領域創生科学研究科, 教授 (00152645)
及川 武久 筑波大学, 生物科学系, 教授 (70011682)
上村 保麿 東邦大学, 理学部, 教授 (20120256)
末田 達彦 愛媛大学, 農学部, 教授 (90109314)
池田 武文 京都府立大学, 助教授 (50183158)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
2002年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2001年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2000年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1999年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | 気候温暖化 / 森林限界 / 亜高山帯針葉樹林 / 水分ストレス / 少雪化 / エンボリズム / 強光阻害 / Abies mariesii / キャビラーション / 亜高山帯 / 水ストレス / キャビテーション / 気孔コンダクタンス / キャビチーション / 水ポテンシャル / 亜高山帯針葉樹 / 環境ストレス |
研究概要 |
中部日本の日本海側の山岳域では、森林限界は亜高山帯常緑針葉樹からなり、高山域では低木のハイマツ(Pinus pumila)群落が発達して、多雪に守られた独特の景観を形作っている。しかし、今後予想される気候温暖化に伴って少雪化が進むと、積雪の保護がなくなって、高い標高域での環境ストレスはむしろ増大することも予想される。そこで本研究では、(1)日本海側から太平洋側への冬季の環境傾度に沿って、森林限界付近で樹木が受ける環境ストレスを明らかにし、(2)日本海側の山岳として乗鞍岳(標高3026m)をとりあげ、その森林限界の優占樹種である常緑針葉樹のオシラビソ(Abies mariesii)に対して、冬季の積雪がどのように樹木を保護しているのかを明らかにするための調査を行った。太平洋型気候の山岳域では、冬季に土壌や幹が凍結して吸水が停止している期間に、乾燥した晴天が続くので、葉からのクチクラ蒸散が多く、枝での貯水だけではまかなうことができずに、シュートが枯損することが、最も重要なストレスの要因であった。一方、多雪の日本海側の中部山岳地域・乗鞍岳の森林限界では、冬季の乾燥は致死に至るほどではないものの、仮導管内の通導阻害が生じる。この通導阻害は、8月下旬に新しい木部の形成が完了するまで、気孔コンダクタンスを低下させるという形で残存し、年間の光合成量を減じているとみられる。さらにオオシラビソは3月から4月にかけて積雪面より上の幹の針葉が強光障害を受けて褐変枯損する。その結果、積雪面より上のシュートの針葉の寿命は短く、偏形化し、やがては物質生産の不均衡から幹は枯損する。しかし、積雪面以下の枝では雪に保護されており損傷を受けることはなく、針葉の寿命も長く密生し、この部分の物質生産が、枯損した幹の再生を支えていると考えられる。温暖化に伴って少雪化が進んだ場合、針葉の乾燥ストレスは致死に至るほど進み、物質生産の主な担い手である積雪面下の現存量も減少し、枯損幹の再生を支えられず、オオシラビソの生存ができなくなることも予想され、森林限界の下降を引き起こすかもしれない。したがって、積雪に保護されて成立している現在の森林限界や高山域の景観の維持は困難となる可能性がある。
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