研究概要 |
RNA結合性と核酸分解酵素耐性を持つ新規修飾核酸の創出を目的として、アミド結合型RNA、及び、2',4'-アミノメチル結合型オリゴヌクレオチドの開発を行った。 1.アミド結合型RNAの固相合成法の開発とその性質 RNAのリン酸ジエステル結合をアミド結合に置換した修飾RNA(U^*U(1),U^*U^*U^*U^*U^*U(2)、CCCUUUU^*U^*U^*U(3)(^*:アミド結合))をホスホニウム系縮合剤PyBOPを用いて固相合成する方法を開発した。U^*Uは核酸分解耐性があり、かつ、3'-カルボキシメチル基を持つリボヌクレオシド誘導体の糖構造が、C3'-endo型に固定化されていることがわかった。また、3とRNA相補鎖は、非修飾体の場合と同様な安定性の二重鎖を形成し、その構造はA型であることがわかった。従って、アミド結合型RNAは、RNA結合性のある核酸分解酵素耐性型RNAであることが示唆された。今後、遺伝子制御やRNA構造検索プローブとしての利用への展開が期待できる。 2.2',4'-アミノメチル結合型核酸の開発 核酸のリン酸ジエステル結合を短鎖の2',4'-アミノメチル結合に置換した修飾オリゴヌクレオチドUaTUaTT(4)及びdCCCTUaTTTTT(5)(a:2',4'-アミノメチル結合)を合成した。4の3'-エキソヌクレアーゼに対する抵抗性の検討から、2',4'-アミノメチル結合が3'末端にあるオリゴヌクレオチドは、強い分解耐性を示すことがわかった。また、4は1本鎖でA型構造を形成し、RNA相補鎖とA型二重鎖構造を形成しやすい骨格を持つ可能性が示唆された。5は、RNA相補鎖とA型二重鎖構造を形成するが、2',4'-アミノメチル結合を1カ所導入したことによる二重鎖の不安定化が生じた。今後、2',4'-アミノメチル結合の導入数と二重鎖構造の安定性の関係を検討する必要がある。
|