研究課題/領域番号 |
11680615
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
構造生物化学
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
深井 文雄 東京理科大学, 薬学部, 講師 (90124487)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | フィブロネクチン / 接着 / 反接着 / 受容体 / ペプチド / 細胞増殖 |
研究概要 |
フィブロネクチン分子内に見い出された反接着部位を認識する受容体を介した作用機構の究明を行い、以下のことが明らかになった。 1)反接着機能部位を含むペプチドFNIII14はFAKを始めとする接着斑タンパクのチロシンリン酸化を抑制すると共に、チロシンリン酸化の過剰な上昇によるアポトーシスもブロックする。 2)活性型β1インテグリンエピトープを認識するmAb AG89によるFACScanにより、ペプチドFNIII14はインテグリンを不活性型コンフォーメーションに変換する作用が有る。 3)ペプチドFNIII14と特異的に結合する膜タンパク(p55)がFNIII14に応答する細胞の膜上に存在する。 4)ペプチドFNIII14の反接着作用を受けない細胞株大腸癌細胞Colon26M3.1の膜上では、ビオチン化FNIII14によるアフィニティー標識によってp55が検出されず、p55の存在とFNIII14に対する反接着応答にはよい相関があることが証明された。 5)p55を認識するmAbを調製し、これを用いたイムノアフィニティークロマトにより精製したp55のN末端アミノ酸配列の解析の結果、p55はN末端細胞外領城にIgVドメインを持つ膜タンパクであることが明らかになった。 本研究を遂行している過程で、以下のことが明らかになった。 1)反接着配列は血漿性フィブロネクチン分子についてはその高次構造内部に隠蔽されているが、ヘパリンとの相互作用やMMP-2による分解によって露出してくる。 2)ペプチドFNIII14はラット肝星細胞の筋線維芽様への活性化を抑制することが明らかになり、肝線維化抑制作用を有する可能性が示された。 3)ペプチドFNIII14はPDGF刺檄によるNIH/3T3細胞の増殖を抑制し、その時、細胞内MAPキナーぜカスケードの活性化を阻害していることが明らかになった。本ペプチドは、インテグリン機能そ低下させることにより、インテグリン関連シグナル全体に多大な影響を及ぼすことが証明された。
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