研究課題/領域番号 |
11680649
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能生物化学
|
研究機関 | 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所 |
研究代表者 |
浅野 富子 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 生化学部, 室長 (70100154)
|
研究分担者 |
森下 理香 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 生化学部, 研究助手
上田 浩 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 生化学部, 研究員 (50253779)
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2000年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1999年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
|
キーワード | G蛋白質 / γサブユニット / ストレスファイバー / 細胞伸展 / プロテインキナーゼC / リゾホスファチジン酸 / 神経上皮細胞 / Rhoファミリー / βγサブユニット / リゾフォスファケジン酸 / Rac / Cdc42 / 百日咳毒素 / 細胞走化性 / リン酸化 |
研究概要 |
本研究は三量体G蛋白質βγの機能を知るため、特にγサブユニットの分子種の違いに注目して行い以下の結果を得た。 1)NIH3T3細胞にβγを発現するとγ12では細胞の球形化が起こり、細胞走化性の有意な上昇が見られた。他のγではこの傾向は弱いが、ストレスファイバーの消失が観察された。これに対し上皮系の細胞であるHeLa細胞にβγを発現すると、強いストレスファイバーと接着斑の形成がみられた。この反応はどのγの分子種でも起こった。βγによるストレスファイバーと接着斑の形成はRhoのドミナントネガティブ(DN)変異体を共発現すると消失することから、Rhoを介していることが明らかになった。 2)NIH3T3細胞を培養皿からはがし、再び播いてリゾホフォスファチジン酸(LPA)で刺激したときの細胞伸展を観察する方法で三量体G蛋白質の役割を検討した。Giを特異的に阻害する百日咳毒素で細胞を処理すると、細胞伸展が著しく抑制された。LPA刺激によって起こる細胞伸展はRacおよびCdc42のDN変異体により阻害されたことから、GiからRacおよびCdc42を介して起こっていることが明らかになった。Giα、βγどちらのサブユニットも細胞伸展を促進した。βγによる促進効果はγ2よりもγ12の方が強い傾向を示し、プロテインキナーゼCによるγ12のリン酸化が関与している結果を得た。 3)ラット脳の発達に伴いほとんどの三量体G蛋白質のサブユニットは増加するか、ほぼ一定の濃度を保っていた。しかし、γ5だけは例外的で胎生期12-14日に最も高く、その後減少し、成獣では低い濃度を示した。免疫組織化学的検索で、γ5は細胞増殖が盛んな神経上皮細胞層に選択的に存在していた。一方、ちょうどγ5と入れ替わるように脳内濃度が上昇するγ2は分化した神経細胞層に局在していた。γ5は分裂能をもつ細胞の何らかの機能に、γ2は神経細胞の機能に関与していると推定される。
|