研究課題/領域番号 |
11680656
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物物理学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
伊藤 忠直 京都大学, 理学研究科, 助教授 (90093187)
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研究分担者 |
山崎 昌一 静岡大学, 理学部, 助教授 (70200665)
大橋 一世 千葉大学, 理学部, 教授 (90114248)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2000年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1999年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | アクチンゲル / ABP-280 / 一分子の力-伸び曲線 / 原子間力顕微鏡 / レオロジー / 細胞骨格 / 細胞の力学応答 / 細胞運動 / 一分子のカー伸び曲線 / アクチン / アクチンゲル化タンパク質 / 一分子力学操作 / タンパク質の巻き戻り |
研究概要 |
ABP-280は分子量280kダルトンの等価な棒状のサブユニットからなる二量体タンパク質で、それぞれのサブユニットのN末端近辺にアクチン結合ドメインがある。残りの90%の領域には、24個のIg様モジュールの繰り返し構造が一列に並び、そのC末端部分でサブユニット同士が非共有的に結合している。ABP-280は、in viroでアクチンとのモル比が1/500以上でF-アクチンゲル(アクチン/ABPゲル)を形成し、そのゲルは細胞皮質のアクチン系骨格に見られるのと同様の等方的構造をとる。 本研究で、我々はアクチン/ABPゲルの粘弾性的性質および一分子のABP-280が示す力学的性質をレオメーターおよび原子間力顕微鏡を用いて研究をおこない、以下の結果を得た。 (1)アクチン/ABPゲルは10%以下のずり変形に対しては「弾性体」として振る舞い(I)、10%から100%の間では変形に応じてその堅さを変化する「粘弾性体」、100%以上ではずり力に応じてほぼ自由に変形する「粘性体」として振る舞う。しかも、1000%以上のずり変形を起こさせた後、ずり力を解放すると、数秒以内にもとの状態に復帰する完全な可逆性を示す。 (2)一分子のABP-280を引き伸ばすと、50から200ピコニュートン程度の力でIgモジュール構造が順次、アンフォールディングし、分子はもとの長さの10倍以上のびる。一旦力を解放すると、数秒以内にリフォールディングし、分子はもとの長さにもどる 以上より本研究では、ゲル中のABP-280分子は、その繰り返し構造のアンフォールディング/リフォールディングを可逆的におこなうことにより、復帰するバネの強さが調節可能な蝶番のような役割を果たし、その結果、ゲルは、上にあるように、かかる力に応じてその性質を変化させ、外力が取り除かれると即座にもとの構造に復帰するという機構が明らかになった。
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