研究課題/領域番号 |
11680660
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物物理学
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
今元 泰 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助教授 (80263200)
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研究分担者 |
徳永 史生 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80025452)
片岡 幹雄 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 教授 (30150254)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1999年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | 蛋白質構造変化 / 光反応サイクル / フーリエ変換赤外分光 / 水溶液 / 水和 / アミドバンド / 中間体 |
研究概要 |
紅色光合成細菌Ectothiorhodospira halophilaの光受容蛋白質・Photoactive yellow protein(PYP)は、光を吸収すると光反応サイクルを示す。これまでのわれわれのX線溶液散乱法による解析結果では、水溶液中でPYPがM中間体に変化したときには、慣性半径の増大をもたらすような大きな構造変化が起こることが明らかとなっている。しかし、これまでの赤外分光法の結果では、これに対応するようなアミドバンドの大きな変化は観測されていない。赤外分光法では、水分子の赤外域での吸収が大きいことから、蛋白質の乾燥フィルムを用いた測定を行ってきたが、乾燥フィルム上では蛋白質の自由度が制限されているために、本来の構造変化が抑制されている可能性があると考えられた。そこで本研究では、水溶液中でのPYPの本来の光反応に対して赤外分光法を応用するため、PYPの水溶液試料を用いた測定を試み、初年度では30mg/mLのPYP溶液を、10μmの光路長で測定することで、大きなアミドバンドの変化を検出した。 今年度は、M中間体での、グルタミン酸46から発色団へのプロトン移動と構造変化の相関を探るため、水溶液中の測定である利点を生かし、アルカリ条件下での赤外吸収スペクトルを測定した。脱プロトン化した発色団は、1163cm^<-1>付近に強いバンドを持つが、生理的条件でのM中間体では、発色団がプロトン化するために、このバンドは消失する。pH11で同様にPYPを光照射したところ、M中間体の生成が認められたが、1163cm^<-1>のバンドは消失せず、発色団はプロトン化しないことが示された。この結果はM中間体様の構造をとるために必ずしも発色団のプロトン化が必要ではないことを示しており、発色団の異性化がその本質であると推測された。
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