研究課題/領域番号 |
11680686
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
分子生物学
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研究機関 | 理化学研究所 |
研究代表者 |
松本 健 理化学研究所, 細胞生化学研究室, 先任研究員 (60222311)
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研究分担者 |
永田 恭介 筑波大学, 基礎医学系, 教授 (40180492)
辻本 雅文 理化学研究所, 細胞生化学研究室, 主任研究員 (00281668)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2000年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1999年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | クロマチン / アデノウイルス / アフリカツメガエル / TAF-I / Xenopus / TAF- I |
研究概要 |
体細胞は細胞周期の中で染色体の凝縮と脱凝縮を繰り返しており、一般に凝縮した染色体では遺伝子複製・転写の活性が低く保たれている。精子のクロマチンは、非常に凝縮した構造を持つが、卵に受精すると脱凝縮する。本研究では、アフリカツメガエル精子クロマチン脱凝縮の系を利用して、これまでに我々が同定したウイルスクロマチンリモデリング因子(TAF-I, TAF-II/NAP-I)の活性と機能を明らかにすることを目的とした。本研究による主な結果は以下の通りである。 1)ヒトTAF-IおよびマウスNAP-Iが精子クロマチン脱凝縮活性を持つことをみいだし、TAF-Iの機能ドメインを検討した。その結果、クロマチン脱凝縮活性には、TAF-Iの二量体化および酸性領域が必要なこと、TAF-Iα特異的領域が抑制的に働くことを明らかにした。 2)アフリカツメガエル卵にはTAF-Iβホモログが存在してクロマチン脱凝縮活性を持つことを示し、そのcDNAをクローニングした。 3)TAF-Iは精子クロマチンから精子特異的塩基性蛋白質を遊離させることで脱凝縮を引き起こすことを示した。一方、脱凝縮後のクロマチンにもTAF-Iが一部残っていることから、ヒストンH3/H4と結合することで脱凝縮あるいはその後のヌクレオソーム形成を進める可能性も示唆された。 4)新たにみいだしたウイルスクロマチンリモデリング因子TAF-III/B23も、酸性領域依存的に精子クロマチン脱凝縮活性を持つことを示した。 以上の結果は、TAF-Iのようなヒストンシャペロンが、ヌクレオソームレベルだけでなく染色体の高次構造変化、ひいては遺伝子複製・転写の調節にも関与する可能性を示唆するものである。
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