研究課題/領域番号 |
11680721
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
発生生物学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
上村 匡 京都大学, ウイルス研究所, 教授 (80213396)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2000年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1999年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | Frizzled / Dishevelled / Wnt / 細胞極性 / Flamingo / ショウジョウバエ / planar polarity / カドヘリンスーパーファミリー |
研究概要 |
平面内細胞極性(planar cell polarity,PCP)とは、上皮細胞において、頂部一基部に直交する平面上に発達する極性を指す。平面内極性の典型例として、脊椎動物内耳細胞の有毛細胞が作る不動毛(stereocilia)の配向パターンや、ショウジョウバエの翅表皮細胞の遠近軸に従った翅毛(wing hair)の形成が挙げられる。具体的には、翅の表皮細胞は必ず遠位端(翅の先端に近い側)においてアクチンを重合させて翅毛を形成し、翅毛は翅の先端に向かって伸びる。WntファミリーのレセプターFrizzled(Fz)と細胞質因子Dishevelled(Dsh)は、PCPシグナル経路の上流に位置することが知られていた。 我々はすでに、カドヘリンスーパーファミリーに属する7回膜貫通型レセプターFlamingo(Fmi)が、PCPの形成に必要であることを発見していた。興味深いことに、Fmiはwing hair形成に先行して、一過的に細胞の遠近軸方向の境界(PD境界)に偏って存在する。先に紹介したFzやDshの機能が失われると、FmiはPD境界へ偏ることなく細胞境界全域に均一に分布するようになる。そこで、Fmiの分布を偏らせる分子機構をより詳細に解析するために、内在のDshの分布を抗体染色によって調べた。その結果、Dshも細胞境界においてFmiと共局在し、細胞のPD境界に偏って存在することが明らかになった。さらに、両者の非対称な分布は相互依存的であること、いずれもFzの制御下にあることがわかった。また、DshのPD境界への分布とDshの高リン酸化型と考えられるバンドの出現には相関関係があった。以上の結果から、未知のPCPリガンドを受け取った細胞の、PD境界でのみDshとFmiのコンプレックスが安定化され、その結果、細胞の遠位端でアクチン骨格の再編成が引き起こされwing hairが形成されるらしい。
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