研究課題/領域番号 |
11680731
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経解剖学・神経病理学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
村本 環 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (40302096)
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研究分担者 |
北本 哲之 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (20192560)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2000年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1999年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | プリオン / コンフォメーション / 変異 / バイオアッセイ / 遺伝子治療 / アミロイド / 神経変性 / トランスジェニックマウス |
研究概要 |
N末端66個のアミノ酸を欠損した変異プリオン蛋白(PrP)を発現するトランスジェニック(Tg)マウスへの接種実験、および発症Tgマウスから同じ変異分子を発現するTgマウスへの継代接種実験では、欠損を持たないPrPを発現するTgマウスの場合と比較して潜伏期間が延長し、欠損させたN末端アミノ酸がプリオン伝搬を促進する働きをもつことが明らかとなった。 最もN末端寄りのhelixを欠損した変異PrP(PrPdelH)を発現するTgマウスへの接種実験では、野生型マウスPrP(MoPrP)を欠損しPrPdelHのみを発現するTgマウスの場合、依然として発症が認められず、PrPdelHは感染型に変換されない可能性が高い。PrPdelHとヒト・マウスキメラPrPの両者を発現するマウスにヒトプリオンを接種した場合ヒト・マウスキメラPrP単独を発現するマウスの場合と比較して潜伏期間の延長が認められ、PrPdelHはヒト・マウスキメラPrPによるヒトプリオンの伝搬に対しても抑制的に働くことが明らかとなった。すなわち、PrPdelHによるプリオン増殖抑制効果は、プリオン増殖に関する「種の壁」を越えて働きうることが示された。 C末端のGPI付加シグナル配列を欠き分泌型蛋白になる変異PrP(PrPsec)とMoPrPの両者を発現するTgマウスで認められた高度アミロイド沈着を伴うプリオン病では、PrPsec発現量が多いほど潜伏期間が延長し、PrPsecはプリオン増殖に対して抑制的に働いていることが示唆された。発症Tgマウス脳組織中のPrPsecは、少なくとも一部が蛋白分解酵素耐性型に変換されていた。このことからPrPsecは、プリオンに組み込まれつつプリオン増殖には抑制的に働くという、これまで知られていない特異な様式でプリオンと相互作用していることが示唆された。
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