研究課題/領域番号 |
11680732
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経解剖学・神経病理学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
東海林 亙 東北大学, 加齢医学研究所, 助手 (40250831)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1999年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | 軸索ガイド因子 / セマフォリン / 神経成長円錐 / ゼブラフィッシュ / 運動神経 |
研究概要 |
1)新しい異所性発現系の樹立 トランスジェニック技術により導入した熱ショックプロモーターの制御下にある外来遺伝子を顕微鏡レーザーを用いて誘導する、新しい異所性発現のシステムを確立した。この方法により時間的・空間的に任意の場所での、外来遺伝子の発現誘導が可能であった。 2)脊髄一次運動神経の軸索ガイド因子sema3A1に対するへの反応性変化の発見 上述のヒートショック・レーザーを用いた解析から、一次運動神経の成長円錐が経路上のある地点まではsema3A1によって反発作用を受けるが、それ以降の経路上では反発性の反応を失う、ステージに依存した感受性の変化が起きていることを見いだした。さらにこれに対応したレセプター遺伝子の発現変化が起きていることを発見した。 3)軸索ガイド因子sema3A1による側鎖誘導現象の発見と解析 上記のsema3A1に反発しなくなった神経成長円錐は、さらに腹側に移動し、sema3A1を一様に発現する筋細胞の領域に進入していく。この領域では軸索の主幹から多数の側鎖が発生し、一次運動神経特有の幅広い領域の神経支配を実現する。本研究により、実際にsema3A1が一次運動神経の筋支配領域において軸索側鎖の形成に関与していることがわかった。またいくつかの予備的な実験より、成長円錐反発と軸索誘導のシグナルは伝達の上でそれぞれが異なった経路を用いていることが推察された。 4)展望 本研究により、軸索ガイド因子として同定されたセマフォリンが、発生ステージ・周辺の環境に依存して作用のかたちをダイナミックに変化させ、回路形成の複数のステップに働いていることが明らかになった。今後、セマフォリン遺伝子のトランスジェニック・フィッシュを用いたENU変異体のスクリーニングを行うことによって、軸索ガイド因子の生体内での機能にさらに踏み込んでいく予定である。
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