研究課題/領域番号 |
11680748
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経解剖学・神経病理学
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研究機関 | (財)東京都医学研究機構 |
研究代表者 |
石塚 典生 財団法人東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 副参事研究員 (90126201)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 嗅内野 / 海馬台 / 前海馬台 / 傍海馬台 / 局所対応 / 記憶回路 / ラット / 脳梁膨大後皮質 / 脳梁後部皮質 / CA1 / 内側嗅内野 / 海馬体の出力 / 海馬後部皮質 / 部位対応結合様式 |
研究概要 |
平成11年度〜13年度の間に、WGA-HRPおよびPHA-L標識法と大脳半球伸展標本の海馬長軸横断切片を用いて、海馬体から嗅内野へ記憶情報を運ぶ出力路の投射および連合性結合様式について解析し、以下の結果を得た。 1 海馬体から嗅内野への帰還回路には、CA1、海馬台からの直接投射路のほか、前海馬台、傍海馬台、脳梁膨大後皮質を経由する間接投射路がある。これら領域への投射起始細胞は、海馬台錐体細胞層にあり、乳頭体内側核、中隔側坐核、視床下部に下行性に投射する細胞と同じ細胞群から起こっており、視床投射細胞群からは皮質性の投射はなかった。 2 海馬台から嗅内野、前海馬台、傍海馬台、脳梁膨大後皮質への投射を二次元展開図上にプロットした結果、長軸(中隔ム側頭葉軸)、横断軸(近位ム遠位軸)に沿った局所対応投射が明らかになった。長軸方向では、海馬台の側頭葉側は前海馬台、傍海馬台、脳梁膨大後皮質の側頭葉側へ、内側・外側嗅内野では嗅脳溝より遠い部分(内側部)投射した。横断軸方向では、海馬台近位部(CA1に近い側)の細胞群は、前海馬台、脳梁膨大後皮質の近位部へ投射し、嗅内野では、内側・外側嗅内野の境界領域に投射した。 3 海馬台、前海馬台の中には、領域を長軸方向につなぐ連合性結合が認められた。海馬台では乳頭体投射細胞群から連合性線維が側頭葉方向に向け投射していた。前海馬台では、主にII層細胞が連合性投射に関与し、中隔側から側頭葉方向への投射が見られ、特に遠位部の結合が優勢であった。 本研究によって、海馬体から嗅内野へ至る複数の経路には、それぞれ局所対応結合がみられた一方、海馬台、前海馬台、嗅内野には長軸方向につなぐ連合性結合が存在し、海馬台の一点からでた情報が嗅内野にどのように拡散するのか、あるいは局所対応投射に準じて限局した反応を呈するのかは、今後の課題である。
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