研究課題/領域番号 |
11680749
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経化学・神経薬理学
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研究機関 | 千葉大学 (2000) 北海道大学 (1999) |
研究代表者 |
村山 俊彦 千葉大学, 薬学部, 教授 (90174317)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2000年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1999年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 一酸化窒素 / NOラジカル / S-ニトロソシステイン / 神経細胞 / ホスホリパーゼA2 / アラキドン酸 / アポトーシス / カスパーゼ |
研究概要 |
一酸化窒素(NO)は、神経系において神経伝達物質様の生理機能を有している。私たちはこれまでに、NOの情報伝達機構として、「NOラジカル-グアニル酸シクラーゼ-サイクリックGMPを介した機構」の他に、「NOラジカル-S-ニトロソチオール生成-標的蛋白質のS-ニトロソ化を介した機構」が存在することを提唱してきた。本研究により以下の知見を新たに得た。1)神経細胞株であるPC12細胞でチオレドキシンレダクターゼ阻害薬によるカスパーゼを介したアポトーシスを、S-ニトロソシステインなどが抑制した。2)S-ニトロソシステインはラット脳のスライス標本から神経伝達物質ノルアドレナリンの放出を促進し、この過程にSH基を有する機能蛋白質が介在していた。3)PC12細胞において、S-ニトロソシステインはカフェイン感受性受容体を介して細胞内Ca2+ストアからのCa2+放出を促進させた。4)S-ニトロソシステインによるノルアドレナリン放出時には、Ca2+に依存した他の刺激と同様に、エキソサイトーシス関連蛋白質シナプトフイジンなどの細胞膜画分への移行が見られた。5)S-ニトロソシステインは、エキソサイトーシスにも関連しているGTP結合蛋白質(Gi/Go)の百日咳毒素によるシステイン残基ADP-リボシル化を阻害した。この阻害作用はシステイン残基のS-ニトロソ化に起因すると推定され、またNOラジカルを生成させる他のNO誘導体は無効であった。6)S-ニトロソシステインは神経細胞におけるサイトゾリック型ホスホリパーゼA2の活性を阻害し、これには活性中心近傍のシステイン残基の修飾が推定された。他のNO誘導体は阻害作用を示さなかった。これらの結果はS-ニトロソシステインの神経系での新たな生理的役割を示している。
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