研究課題/領域番号 |
11680761
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経化学・神経薬理学
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
中山 均 奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (50133195)
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研究分担者 |
畠中 寛 大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (14401859)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2000年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1999年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | アセチルコリン受容体 / 蛋白リン酸化 / ニコチン / ニコチン性 / cAMP / NGF / MAP kinase / CREB / PC12細胞 |
研究概要 |
本研究の当初、ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)刺激による細胞内シグナル伝達経路とNGFおよびcAMPの細胞内シグナル伝達経路がクロストークする事が予想されていたので先ずPC12細胞を用いて、NGFおよびcAMPアナログによるnAChR発現の調節を解析した。PC12細胞の3種類の亜株(PC12h,dominant-negative Ras発現株、およびその亜株(PC12-wild))を用いて、NGFおよびcAMPアナログによるnAChR発現の調節機構を解析した。その結果、PC12h,PC12-wild細胞では、CPTcAMP処理により、Protein kinase Aを介してα3nAChRサブユニットmRNA(α3mRNA)のdown-regulationがみられた。また、NGFを処理すると、Ras-MAP kinaseカスケードを介してa3mRNAレベルが変動した。PC12h細胞をNGF、CPTcAMP、脱分極刺激するといずれの場合もERKとCREBのリン酸化が促進されたが、脱分極刺激ではリン酸化レベルは著しく低くかった。PC12h細胞を高カリウム脱分極刺激続けてもα3mRNAレベルは変化しなかった。 2年目はニコチン刺激によるnAChRを介した細胞内シグナル伝達経路の解析を試みた。PC12h細胞をニコチン刺激するとニコチン濃度依存的にERKリン酸化が検出された。ニコチン刺激によるERKリン酸化は脱分極、NGF刺激に比べ持続時間が短く、リン酸化レベルも低かった。ニコチン刺激によるERKリン酸化には、α7サブユニットを含まないnAChRサブタイプの関与が示唆された。また、ニコチンによるERKリン酸化は電位依存性L型カルシウムチャネルアンタゴニスト、カルモジュリンアンタゴニスト、CaM Kinase阻害剤により抑制された。さらに、ニコチンによるCREBリン酸化はERKリン酸化を介して起きることが示唆された。以上の結果からPC12h細胞をニコチン刺激したときにみられるERKとCREBのリン酸化経路として次の経路が考えられる。非α7型nAChR→L型電位依存性カルシウムチャネル→CaM Kinase→Ras-MAP Kinaseカスケード→ERKリン酸化→CREBリン酸化。
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