研究課題/領域番号 |
11680766
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経化学・神経薬理学
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
浅井 聡 日本大学, 医学部, 講師 (80231108)
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研究分担者 |
石川 紘一 日本大学, 医学部, 教授 (20060048)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2000年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1999年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 微小透析電極(dialysis electrode) / 脳虚血 / グルタミン酸 / グルタミン酸再吸収機能 / 低体温療法 / グルタミン酸トランスポーター / ニセルゴリン / PDC / 透析酸素電極 / 脳保護薬 |
研究概要 |
近年我々は、微小透析電極とフェロセンを用いた、脳内の細胞外液中グルタミン酸の酸素非依存性リアルタイム測定系を開発し、ラットを使った虚血再灌流実験系で、虚血中に起こる二相性のグルタミン酸放出機構と再灌流後に起こるグルタミン酸再吸収機能を区別して評価し、超急性期の脳虚血病態生理を細胞外グルタミン酸濃度の変化、とくにグルタミン再吸収機構を中心に検討し、虚血再灌流病態の発現に細胞外グルタミン酸の再吸収機構が密接に関わっていることを確認した。低体温療法は、現在最も有効な脳卒中治療法として注目されているが、低体温療法の作用機序にグルタミン酸再吸収機構が関与している可能性を示唆したことから、脳虚血時の細胞外グルタミン酸の上昇による脳神経傷害の病態には、再吸収機構が重要な役割を果たしていることが確認された。従って、細胞外グルタミン酸の再吸収機構を活性化することは、脳障害軽減する可能性があるという仮説をたて、いくつかの適当な薬物を選定し、グルタミン酸再吸収機構の活性化を指標にして探索検討した。その結果、再吸収機構の主な役割を担っているグルタミン酸トランスポーターの阻害薬(PDC)が虚血時の細胞外グルタミン酸濃度の上昇を抑えた。また、麦角アルカロイドの一種で現在臨床において脳代謝改善薬として使用されているニセルゴリンが、虚血後再灌流時の細胞外グルタミン酸濃度の上昇を抑え、同時に組織傷害も軽減することを見いだした。今回の研究により、今後脳虚血病態において、グルタミン酸再吸収機構の活性化を促すような薬剤が、神経障害の軽減に役立つ可能性が示唆された。
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