研究課題/領域番号 |
11680775
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経化学・神経薬理学
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研究機関 | 国立精神・神経センター |
研究代表者 |
今井 嘉紀 国立精神・神経センター, 代謝研究部, 室長 (20270689)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2001年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2000年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1999年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | ミクログリア / Iba1 / Rac / アクチン / ラッフリング / 貪食 / マクロファージ / ホスフォリパーゼC / カルシウム / 貧食 |
研究概要 |
我々は、脳内ではミクログリアに特異的に発現するカルシウム結合たんぱく質Iba1を見出し、Iba1が単量体Gたんぱく質Racのシグナル伝達系に関与すること、アクチン細胞骨格の構造制御を通じて活性化ミクログリアの遊走能・貪食能を制御していることを明らかとした。ミクログリア細胞株MG5でIba1の細胞内局在を調べると、Iba1はM-CSF刺激下に形成される膜ラッフル部位に、あるいはザイモサン貪食時に形成されるファゴサイティックカップにRac・F-アクチンと共に集積していた。さらにこの時、Racが活性化されGTP結合型に転換されることも示した。抑制型Iba1変異体を作成し、MG5で発現させると、膜ラッフル形成・貪食が抑制された。さらに、ドミナントアクティブ型Racの発現によりMG5に形成される膜ラッフルをIba1変異体が抑制し、Iba1がRacのシグナル系で機能していることがわかった。 さらに、我々はIba1自身がアクチンと直接結合することを見出した。高速遠心法によりF-アクチンとIba1が共沈することを示し、Iba1にF-アクチン結合能があることがわかった。さらに、低速遠心法により、Iba1非存在下にF-アクチンは沈殿されない一方、Iba1存在下では沈殿され、Iba1にアクチン架橋能があることがわかった。さらにこの時、アクチンが束化されていることが電子顕微鏡観察で明らかとなった。抑制型Iba1変異体について同様アクチンに対する効果を調べると、結合能が上昇していたのに対し、束化能は完全に失われており、その結果アクチン細胞骨格の形成を障害させていることが示唆された。以上の結果はIba1がRacシグナル系に関与してアクチン細胞骨格の機能を調節する分子であることを強く示唆する。
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