研究課題/領域番号 |
11680784
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経科学一般
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
工藤 雅治 新潟大学, 脳研究所, 助教授 (80153310)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2000年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1999年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 聴覚野 / 長期抑圧 / LTD / 神経可塑性 / 錐体細胞 / NMDAレセプター / mGluR / ラット |
研究概要 |
聴覚学習には聴覚野可塑性が重要であるが、可塑性として長期増強(LTP)とともに長期抑圧(LTD)が重要な役割を果たしていると考えられる。本研究では成熟ラット聴覚野スライス標本を用いLTDとその誘発メカニズムにつき以下の点を明らかにした。 1)電場電位およびEPSPのLTD III層電場電位、および錐体細胞EPSPはIV層低頻度刺激によりLTDを起こした。これらのLTD誘発にNMDAレセプター(NMDAR)と代謝調節型グルタミン酸受容体(mGluR)両者が関与していることが判った。 2)入力線維とグルタミン酸受容体 聴覚野III層錐体細胞への入力には視床内側膝状体線維の他、対側聴覚野、連合野など他皮質からの線維、錐体細胞軸索側枝などがある。これら入力シナプスの違いによりLTDを誘発するグルタミン酸受容体が異なるか、スライスの作製方向を工夫し各入力を独立に刺激して検討した。その結果、内側膝状体入力シナプスではmGluR依存性、他皮質からの入力シナプスや皮質水平結合シナプスではNMDAR依存性であることが判った。さらに、内側膝状体線維を変性させた聴覚野スライスではmGluR依存性LTDが認められず、視床入力シナプスLTDがmGluR依存性であることが確かめられた。 3)mGluRサブタイプ groupIのmGluR5がLTDに関与することが示唆された。 4)Ca^<2+>チャンネル依存性LTD 聴覚野LTDは電位感受性Ca^<2+>チャンネルに依存していなかった。しかし、内側膝状体線維変性聴覚野スライスではnifedipine感受性Ca^<2+>チャンネル依存性LTDが誘発されるようになった。 以上より聴覚野LTD誘発に関与するグルタミン酸受容体は視床入力シナプスと錐体細胞入力のシナプスで異なり、さらにCa^<2+>チャンネルの関与が入力によりダイナミックに制御されていることが判った。
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