研究課題/領域番号 |
11680789
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経科学一般
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
稲垣 直之 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教授 (20223216)
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研究分担者 |
貝淵 弘三 名古屋大学, 大学院・医学研究科, 教授 (00169377)
門田 裕志 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助手 (10294282)
天野 睦紀 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助手 (90304170)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2000年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1999年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | Rho-キナーゼ / CRMP-2 / リン酸化 / 成長円錐 / 軸索 / 樹状突起 / 細胞極性 / Rho-GEF |
研究概要 |
発生脳特異的な新規のGuanine nucleotide exchange factor(GEF)のクローニング 我々は、Rho、Rac、あるいはCdc42の活性制御分子と考えられる発生脳特異的に発現する新規のGEFを同定し全長cDNAのクローニングを行った。このGEFはN-末端にPDZ-ドメインを有しており、Rho特異的なGEF活性を有していた。また、この新規のGEFはInsulin like growth factor(IGF)-1受容体の細胞内部位に結合することが明らかとなった。さらに、このGEFのPDZ-ドメインをNIH3T3細胞に発現させると、IGF-1によるRho/Rho-キナーゼ系の活性化をドミナントネガティヴ体として抑制した。以上の結果から今回同定した新規のGEFは発生時期の脳内においてIGF-1によるRho/Rho-キナーゼ系のシグナル伝達系の調節をする可能性が示唆された。我々は新規のGEFがRho/Rho-キナーゼ系の活性化通じて神経回路網形成や、神経細胞の形態形成に重要な役割を果たすものと考えている。 Rho-キナーゼの下流分子CRMP2の神経軸索形成及び極性形成に果たす役割の解明 Collapsin response mediator protein 2(CRMP2)は発生時期の脳に高レベルに発現する蛋白質で、我々はCRMP2がRho-キナーゼの脳における重要な基質であることを見出している。我々は、このCRMP-2を一次培養海馬神経細胞に高レベル発現させると、神経細胞の軸索が複数形成されることを見いだした。さらに、実際に成長しつつある軸索には内在性CRMP-2が濃縮して存在することも明らかとなった。以上の結果はCRMP-2が軸索の形成に必要であり、CRMP2の細胞内分布が神経細胞の極性形成に重要な役割をはたす可能性を示唆する。またニワトリ後根神経節ニューロンにおいてLPA刺激による成長円錐のコラプスにCRMP2のRho-キナーゼによるリン酸化が重要な役割を果たすことが明らかとなった。現在、CRMP2の神経軸索形成及び極性形成に果たす役割のを分子レベルで解明するためにCRMP2結合蛋白質を同定中であり、これまでにアクチンとチューブリンがCRMP2に結合することを見いだしている。
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