研究課題/領域番号 |
11680810
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経・筋肉生理学
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
佐々木 光美 東京医科大学, 医学部, 助教授 (10170698)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1999年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 膀胱 / 排尿 / Barrington核 / 仙髄 / 橋 / 脳幹 / 橋排尿中枢 / ニューロン |
研究概要 |
ネコの橋俳尿中枢ニューロン活動を記録した。膀胱収縮関連ニューロンの活動は、膀胱収縮時に活動が増大する同相型ニューロンと、活動が減少する逆相型ニューロンの2群に大別された。両者とも背外側橋被蓋内側部で記録された。仙髄背外側索の電流刺激で逆行性に応答するニューロンは全て同相型であった。逆行性スパイクが誘発される最尾側端は仙髄1-3番であり、仙髄最尾側端からの逆行性スパイクの潜時は24-45msであった。細胞体から腰髄最上部までの推定軸策伝導速度は10-30m/sであった。伝導速度は腰髄レベルで減少し始め、下部腰髄から仙髄にかけては著明な減少が見られ、橋排尿中枢仙髄投射ニューロンは主に下部腰髄から仙髄のレベルで分枝することを示唆した。次に橋排尿中枢仙髄援射ニューロンの発火様式を詳細に調べた。膀胱弛緩期から収縮期にかけて徐々に発火頻度が増大するもの(tonic1タイプ)、発火頻度が一定のもの(tonic2タイプ)、弛緩期に殆ど発火せず、排尿収縮直前から増大するもの(dynamicタイプ)、および排尿収縮に先行する時のみ発火するもの(burstタイプ)があった。排尿収縮に先行するものはburstタイプおよびdynamicタイプ、遅れるものはtonicタィプに多くみられた。排尿収縮時、dynamicタイプでは大部分で発火が漸減するのに対して、tonicタイプでは一定の発火頻度を示すものが多かった。これらより、dynamicタイプは排尿開始および圧の上昇に密接に関連しているものと考えられた。一方、tonicタイプニューロンは排尿開始に遅れて発火が増大する傾向にあり、膀胱求心性神経からのpositive feedbackにより発火を増大させ、高い膀胱内圧を維持するのに関係しているのではないかと考えられた。なお、全てのタイプで、弛緩開始に遅れて発火が減少し始めたが、このことは橋排尿中枢仙髄投射ニューロンは膀胱弛緩の開始を決定していないことを示唆した。
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