研究課題/領域番号 |
11680848
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
医用生体工学・生体材料学
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
大和 雅之 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (40267117)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2000年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1999年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 温度応答性 / 細胞培養 / 細胞接着 / 組織工学 / ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド) / 細胞脱着 / 細胞骨格 / 細胞内情報伝達 / 多孔性 |
研究概要 |
1 短時間で細胞を脱着させる温度応答性培養床表面の創製:温度応答性培養皿からの非侵襲的な細胞脱着は、培養皿表面に固定化した温度応答性高分子が低温処理にともない親水性化して、細胞接着分子との相互作用を減少させることを必要とするため、培養皿表面に固定化した温度応答性高分子への水の供給の制御は重要である。これまでに作成した温度応答性培養皿は市販のポリスチレン製細胞培養皿上に固定化していたが、ポリスチレンは疎水性を示し、水分子の供給という観点からは最適ではないと考えられる。今回、この点に着目し、微小孔(直径1μm以下)より水分子が容易に侵入できる多孔性膜上に温度応答性高分子をグラフトした。PIPAAmのグラフト量が同程度であ、直径を同一にした従来型の培養皿に比べ、細胞や細胞シートをより早くより完全に脱着させることに成功した。また脱着の加速化の程度は、細胞シートの場合により顕著であった。 2 サイトカインによる細胞脱着速度の制御:これまでの研究で、低温処理により細胞が温度応答性培養床表面から脱着するには、ATPを消費して発生する細胞骨格に起因する収縮力が必要であることが明らかになっている。種々の因子により細胞骨格の再組織化に関与する情報伝達系を刺激することができるが、これらのうち、ATP,dbcAMP、各種細胞成長因子、カルシウムイオノフォアを検討した。いずれを用いても顕著な加速化を達成する条件は得らなかった。 3 サポータを用いた脱着過程の短時間化:温度応答性培養皿から回収した細胞シートを組織工学的に応用することを目標として、欠陥のない細胞シートを回収し、別表面に移動して再接着する種々の条件を精緻化する過程で、条件の最適化により脱着に要する時間を十倍以上短縮することに成功した。 これらの成果の一部についてはすでに論文発表した。残りについても今後発表していく予定である。
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