研究分担者 |
富永 智津子 宮城学院女子大学, 短期大学, 教授 (90217547)
重松 伸司 追手門学院大学, 文学部, 教授 (20109242)
田中 恭子 南山大学, 総合政策学部, 教授 (00167496)
深見 純生 桃山学院大学, 文学部, 教授 (40144555)
濱下 武志 京都大学, 東南アジア研究センター, 教授 (90126368)
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配分額 *注記 |
16,280千円 (直接経費: 14,600千円、間接経費: 1,680千円)
2001年度: 7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
2000年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
1999年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
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研究概要 |
環インド洋世界におけるネットワークと地域形成とを,移住者の活動をとおして考察することを目的とする本プロジェクトは,3年間の調査研究をとおして,インド洋をとりまく多様なネットワークの存在と,ネットワークを接合したり分化させたりする介在的存在の重要性を浮かび上がらせてきた。環インド洋世界には,インド系,アラブ系,華人系,ペルシア系などの移住者により,多様なネットワークが形成されてきた。個別的な調査をとおして,以下の諸点について成果が得られた。 (1)インド系移住者や華人系移住者が形成した経済的ネットワークの特質の解明をとおして,両者の棲み分けや接合について研究が進展するとともに,移住先における国民競合に果たす役割についての議論が深まった。また複数回の移住による出身地とのネットワークや本国観の変容について研究が積み重ねられた。 (2)アラブ系移庄者がイスラーム世界のネットワークを拡大させるとともに,アフリカや東南アジアでは,それぞれの地域世界の構築に重要な役割を果たしたことが明らかとなった。個別的な地域世界の形成と世界秩序との構築が彼らをとおして表裏で進行したことが明らかとなった。 (3)また西アジアと西北インドを中心に,東南アジアやアフリカ東海岸とを結びつけたペルシア系移住者や,英領植民地下で活動を活性化させたアルメニア系移住者の果たした役割の重要性が提起された。 これらの成果をとおして,世界的にも最も複合的なネットワークを形成してきたと思われる環インド洋世界における,多様なネットワークの実態が明らかになるとともに,ネットワーク間の関係について研究が進展した。
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