研究課題/領域番号 |
11691057
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
文化人類学(含民族学・民俗学)
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
煎本 孝 北海道大学, 大学院・文学研究科, 教授 (50124227)
|
研究分担者 |
呉人 恵 富山大学, 人文学部, 助教授 (90223106)
池谷 和信 国立民族学博物館, 民族社会研究部, 助教授 (10211723)
山田 孝子 京都大学, 総合人間学部, 教授 (20293839)
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2001
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
10,000千円 (直接経費: 10,000千円)
2001年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2000年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1999年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
|
キーワード | 東北アジア / 文化変化 / アイデンティティ / 文化復興 / 言語復興 / エスニシィティ / サハ / モンゴル / チベット / チュクチ |
研究概要 |
本研究計画においては、東北アジア諸民族の中、とくにサハ共和国のヤクート、ロシア連邦マガダン州チュコトカ自治管区のチュクチ、カムチャツカ州コリヤーク自治管区のコリヤーク、中華人民共和国・内蒙古自治区等およびモンゴル国のモンゴルを調査対象として実地調査を行った。各民族の実地調査において、歴史的背景と文化変化、文化復興、言語復興、民族的アイデンティティの実態に関する情報資料の収集を行い、それらの資料を比較検討し、これをもとに民族的アイデンティティの形成過程、民族と国家との動態的関係について文化人類学的視点から分析した。 その結果、第一に、東北アジア諸民族に自然と人間との間の多様な関係があること、第二に、多くの東北アジア諸民族の文化と言語は歴史的過程の中で大きく変化してきたこと、第三に、諸民族の文化や言語はさまざまな外的要因や国家政策のもとに一方的に変化させられるばかりではなく、新たな状況に対応し、さらには新たな文化を創造してきたということ、そして、第四に文化と言語の復興は意識するか否かにかかわらず、人々のアイデンティティ(帰属性)と深く結びついているということが明らかにされた。 アイデンティティの形成は、時には国家と民族との政治的対立を背景としており、また時には、人々が伝統に寄せる深い価値観に根ざしたものから来ている。そこでは、人々は自然の中で人間が生きることの意味を確認し、変化する社会や政治的状況の中で、それを守ろうとする意思の表現となっていることを指摘することができるのである。
|