研究課題/領域番号 |
11691071
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
社会学(含社会福祉関係)
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
馬居 政幸 静岡大学, 教育学部, 教授 (30126768)
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研究分担者 |
唐木 清志 静岡大学, 教育学部, 助教授 (40273156)
阿部 耕也 静岡大学, 生涯学習教育研究センター, 助教授 (30212541)
外山 知徳 静岡大学, 教育学部, 教授 (40013213)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
8,000千円 (直接経費: 8,000千円)
2001年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2000年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1999年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 日本文化 / 青少年文化 / 大衆文化 / 世代間格差 / 相互理解 / 韓国社会 / インターネット / 社会変動 / 日本文化開放 / 文化摩擦 / 消費生活 / 情報社会 / 異文化理解 / 世代論 / 消費社会 / 日本漫画 / 文化侵略 / 経済危機 / N世代 / 情報化 / 工業化 |
研究概要 |
日本文化開放とその背後の社会構造変動による青少年の意識と行動への影響に関する調査から、12年度の時点で次の3点を解明した。(1)韓国青少年の日本と日本人に対する肯定的かつ積極的な興味や評価の高まり。(2)日本の青少年文化をリアルタイムで広げる社会基盤の成立。(3)日本文化開放は韓国各層の日本への拒否感を緩和させる契機として機能。だが13年度調査で教科書問題の影響から日本へのマイナス評価が急増。その構造を解明するため新調査を実施し、次の日本批判再生産の社会過程を把握した。・自己の経験をもとに日本批判を展開する中高年の男女。直接経験者の高齢者に加えて、朝鮮戦争で荒廃した国土に生まれ、復興の厳しさとともに育った現在40代も含み、最も厳しく教科書問題に反応。経済成長後の韓国に育った20代後半から30代にかけての男女。日本文化を積極的に摂取し、自分の生活や子どもの進学を優先させる層。だが、親類縁者から過去の苦難を当事者の情感を伴って直接感得したことが蘇る。・急激に普及したPCを自在に操作する20代前半より下の男女。インターネットを介し旧世代の経験に基づく知識と感情を獲得。インターネットの普及が却ってハングルでしか解せない閉じた言語空間の密度を高め、旧来の日本批判再生産を促進。他方、このような日本批判に対し、a.感情的になってはならない、b.韓国の教科書にも問題がある、との新たな指摘も確認した。さらに調査結果の総合分析から次の3種の課題が明確になる。1.日本文化開放と日本理解拡大は直接結びつかず、両者を媒介する社会的文化的基盤の解明が急務である。2.文化開放と経済危機克服のための情報化の推進は、言論の自由度を高め、政府主導ではなく国民各層による日本批判を容易にし、さらに情報化がそれを拡大する。そのため、日韓青少年の相互理解を進めるには、両国の社会的文化的基盤に根ざす障害の開示と相互理解促進のための教育プログラムを積極的かつ早急に開発・実践する必要がある。3.日本文化開放は教科書問題で中断したため、本格的な開放による韓国青少年の意識と行動への影響についての継続調査が必要である。
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