研究課題/領域番号 |
11691089
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
農業経済学
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研究機関 | 岐阜大学 (2000-2001) 九州大学 (1999) |
研究代表者 |
安部 淳 岐阜大学, 農学部, 教授 (30136543)
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研究分担者 |
白武 義治 佐賀大学, 農学部, 助教授 (10192121)
深川 博史 九州大学, 大学院・経済学研究院, 助教授 (30199153)
胡 柏 九州大学, 大学院・農学研究院, 助教授 (80248624)
磯田 宏 佐賀大学, 経営学部, 助教授 (00193392)
金 中起 九州大学, 農学部, 助手 (30274525)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
9,700千円 (直接経費: 9,700千円)
2000年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
1999年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
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キーワード | 中国 / 韓国 / 食糧流通管理制度 / 国有食糧企業 / 農協系統 / 米穀総合処理場 / 食糧流通改革 / 糧穀制度 / 食糧流通管理 / 中国食糧流通体制 / 韓国糧穀管理制度 / ジャポニカ米流通 / 農協 / 全面管理 / 間接管理 / 需要と価格の調整 |
研究概要 |
【中国】1. 90年代半ば過ぎから取り組まれている、国有食料部門の再編=市場経済化・民営化は、(1)食料財政負担を削減・合理化、(2)中央政府の食糧管理業務を備蓄に限定し、WTO加盟に備えた国内食糧流通管理体制の整備、(3)政府の業務は備蓄用食糧の買付と食糧倉庫の管理運営に限定、(4)加工・販売等の業務民営化、(5)流通ルートへの参入自由化、(6)食糧需給調整は市場メカニズム下におき、価格の順ざや化・自由化、(7)需給・価格の変動著しい場合にのみ政府が市場に介入し、(8)以上の課題にそって産地から消費地末端にいたる流通ルートの創出、市場メカニズムの要となる卸売市場制度の創出、を基本とする食糧流通改革の内容を明らかにした。 2. 90年代半ばすぎに政府は、政府買付価格を大幅に引き上げ、食糧生産は、4億トン台半ばの水準から一挙に5億トン台に達し連年豊作を記録した。90年代半ばに世界の耳目を引いた中国の食糧不足問題を払拭したものの、一転して厳しい過剰局面に直面した。産地価格は大暴落している。政府は、(1)保護価格での無制限買付を実施し、産地食糧価格を底支えし、それにより農民所得の確保を図った。(2)その際、政府系企業による産地買付独占を実施し、産地から商人ルートを排除した。食糧は、政府ルートを通してのみ販売されるので、価格をつり上げて政府系企業の企業利益確保を図った。(3)しかし、産地から消費地までの商人ルートがすでに一定の地歩を築き、大消費地スーパー等の商業資本との連鎖を深めていること、政府系企業の高値販売が逆に過剰在庫・赤字要因になり、民営化の足かせになっている実態を解明した。 【韓国】1.政府ルートと民間ルートの二本立てである。2.政府の役割は、備蓄と貿易の管理、産地価格より一定高い政府買い入れ価格設定。市場価格高謄時、産地価格より低い価格で政府米を放出するのが、韓国の糧穀管理制度である。3.民間ルートは、米穀総合処理場(RPC)の導入を機に、農協系のシェアが急速に高まり、商人系の後退・萎縮がはなはだしい。RPCは、日本でみられるカントリー・エレベータの機能に加えて精米加工・袋詰め機能まで装備した工場である。RPCを導入した農協は、農協組織の連携下で産地から消費地までの一貫ルートを構築し、そのシェアを高めた。農協米事業成立するための基本的な経済条件として、(1)米需給がタイトである、(2)政府の流通管理の適切さ、(3)MA米輸入を国内需給を考慮して弾力的に行い、その管理を徹底させていること、を解明した。
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