研究分担者 |
坂野井 健 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (80271857)
三澤 浩昭 (三沢 浩昭) 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90219618)
岡野 章一 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10004483)
佐藤 毅彦 東京理科大学, 計算機科学フロンティア研究センター, 講師 (10297632)
土屋 史紀 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (10302077)
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研究概要 |
1.オーストラリア・アリススプリングス及びハワイ大学ハレアカラ観測所に本グループが開発した観測装置を搬入し,木星衛星イオから放出されるナトリウムガス及びプラズマ分布の光学観測を実施した。観測はイオ衛星近傍の狭領域観測と木星磁気圏を越えるスケールの広域観測とを同時に行った。その結果,これまでに例のないイオ火山起源のガス変動の詳細を2次元画像で撮像することができた。 2.2年間にわたる観測データの詳細な解析と,観測データに基づくシミュレーション研究から,イオ火山ガスが木星磁気圏へ放出される過程に関して以下結果を得た。 i)イオ衛星近傍及びイオ衛星軌道のナトリウムガスが遠方へ放出される機構は,(1)磁気圏プラズマとの電荷交換反応,(2)磁気圏プラズマの分子イオン解離性再結合過程の2つの過程の重畳である。 ii)電荷交換反応を起こすプラズマは,木星と共回転する高速プラズマとイオ電離層で電離された低速イオンとからなり,その混合比2:3である。 iii)分子イオン解離に関わるイオンのlife timeは約10時間である。 iv)イオ衛星起源のナトリウムガスの放射フラックスは,電荷交換反応を経るものが1.5x10^26,解離性再結合によるものが4.0x10^26atom/secである。 v)イオ起源イオウプラズマが発する放射光(2lines)を観測から,イオプラズマトーラスの空間分布およびその時間変動の様相を明らかにした。 vi)イオプラズマトーラスの密度には周期性が存在し,その効果は木星極域で放射される低周波電磁波の伝搬に現れることを示唆した。。 3.フランス・ソルボンヌ大学において,太陽系巨大惑星の磁気圏とプラズマに関する各国の直接探査と地上からの遠隔観測の実状を調査・研究するとともに,当グループの地上惑星観測データと米国・フランスの観測データの比較・検討を行い,今後の研究推進の協力体制を確立した。
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