研究課題/領域番号 |
11691125
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
地質学
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研究機関 | 名古屋大学 (2000) 京都大学 (1999) |
研究代表者 |
WALLIS SIMON (SIMON Wallis R.) 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30263065)
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研究分担者 |
加藤 丈典 名古屋大学, 年代測定総合研究センター, 助手 (90293688)
鈴木 和博 名古屋大学, 年代測定総合研究センター, 教授 (90111624)
榎並 正樹 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20168793)
廣井 美邦 千葉大学, 理学部, 教授 (40019427)
平島 崇男 (平島 たか男) 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90181156)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
10,900千円 (直接経費: 10,900千円)
2000年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
1999年度: 6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
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キーワード | 大陸衝突 / 超高圧変成作用 / 東中国 / 圧力温度履歴 / 上昇速度 / 物質循環 / エクロジャイト / 高圧変成作用 / 元組循環 / 大別山-蘇魯変成帯 / 変形 / 年代 / 大別山-蘇魯帯 / 岩石の部分溶融 |
研究概要 |
本研究の主成果は以下の通りである。 1)大陸衝突帯最深部で形成した蘇魯変成帯は広域的にほぼ等温の状態で地表に向かって上昇したことが明らかになった。また、累進変成作用時の圧力温度履歴を緻密に制約し、蘇魯変成帯岩類が沈み込んだ際、非常に低い地温勾配が存在していたことが明らかになった。これらの温度・圧力履歴は定量的テクトニクモデルを検証するために、重要なデータである。定性的には、沈み込み・上昇は両者同じく年間数ミリ-数センチの速度で起こったことを推定できる。 2)超高圧変成岩類を構成する鉱物を分析し、Srなど収束プレート境界における大陸地殻の巨視物質循環を理解するために注目される元素を濃集するもの、つまりその元素のコンテナの究明に向けて、CaAl珪酸塩鉱物の重要性を浮き彫りにした。これらの鉱物の安定条件は貯蔵される元素がプレート収束域の深部での放出領域を限定すると予想される。 3)西南日本に分布する三波川変成帯で、エクロジャイトを含む新たな高圧変成岩体を見出した。この岩体は同一の変成帯の伸長方向に分布する既知のエクロジャイト岩体に比べて、より低い地温勾配のもとで形成した可能性を指摘した。この発見は三波川帯の3次元温度構造を復元するために有用であると考えられる。 4)蘇魯変成帯の造山運動の年代及び速度についての研究はまだ公表されていないが、この地域で見られる変成作用と広域変形は約230Ma、ほぼ同時期のものでることを指示するデータを得ている。その結果、広域変形の特徴は衝突時のテクトニクモデルの制約として適用できると予想される。また、酸性片麻岩中、点在する超塩基性岩とエクロジャイト岩体の大きさ及び密度を推定し、蘇魯変成帯が全体的に年間数センチという非常に高速度で上昇したことが推測される。この結果から大陸衝突の定量的テクトニクモデルにおいて最も不確定な量、地殻の有効粘性の制約を導かれる。
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