研究課題/領域番号 |
11691135
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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研究機関 | 高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
西山 樟生 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 教授 (50164611)
西山 樟生 (2000) 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 教授 (04044038)
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研究分担者 |
下村 浩一郎 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 助手 (60242103)
髭本 亘 (髭元 亘) 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 助手 (90291103)
門野 良典 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 教授 (10194870)
鄭 旭光 佐賀大学, 理工学部, 助教授 (40236063)
秋光 純 青山学院大学, 理工学部, 教授 (80013522)
坂元 眞一 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核科学研究所, 助手 (50215646)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
6,100千円 (直接経費: 6,100千円)
2000年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
1999年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
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キーワード | ミュエスアール / 直流状ミュオンビーム / 銅酸化物 / 重い電子系 / セリウム化合物 / 圧力効果 / 低次元磁性 / 半導体中水素不純物 / 負ミュオン / 準位交差法 / 負ミュオン移行反応 |
研究概要 |
トライアムフ研究所(カナダ)において、直流状ミュオンビームを用い、国内の高工研機構中間子科学研究施設のパルス状ミュオンビームと相補的な高分解時間の実験を行った。実施した課題は以下のようなものである。新しい超伝導物質であるYNi2B2Cの磁束格子状態の磁場依存性の測定を行い、透過長は磁場に比例するが、磁束の芯半径が外部磁場によって急激に減少したのち一定値に近ずくことを見い出した。高品質の単一大型単結晶による銅酸化物(CuO)のミュエスアール測定では、逐次磁気相転位の中間層(216K-232K)において始めてコヒーレントなミュオンスピンのゼロ磁場回転が観測され、また反強磁性相において局所場を向きまで含めて精密に決定できた。高圧のミュオン実験においては、圧力セルを用い1Gpaまでの圧力実験に成功した。セリウム化合物であるCeRh2Si2は常圧では36度以下で反強磁性を示すが、高圧力下で超伝導になることが知られ、磁性と超伝導の関連の見地から興味がもたれている。この物質で、ミュオンの内部磁場の圧力変化をゼロ磁場の回転から求めた。圧力範囲がまだ不十分なので今後より高圧下での実験を行う予定である。超伝導と同時に異常な磁性を示すCeCu2Si2および3d電子からなるにもかかわらず重い電子的振る舞いをするLiV204において希釈冷凍機温度でナイトシフトを測定した。後者ではミュオンのナイトシフトから2つの非等価なサイトがみいだされた。低次元磁性を示す塩基性銅錯体Cu(OH)Xにおいてその磁気秩序相においてゼロ磁場ミュエスアール測定からX=Cl,BrとX=Iとでは磁気サイトの数に違いががある(2サイト-1サイト)ことを確認できた。直接遷移型半導体(GaAs)中のキャリアを円偏光レーザーを用いて偏極させることにより負ミュオン原子の再偏極を得る試みはなされたが、効果を確認するにはいたっていない。より強力なレーザーを用いるか、より低温での統計をあげた精密実験が将来必要である。単体セリウム金属中で負ミュオンの信号を得ることに成功し、特異的なセリウム化合物の物性研究においてミクロスコピックなプローブとして負ミュオンの利用が広がると思われる。
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