研究課題/領域番号 |
11691141
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
環境動態解析
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研究機関 | 独立行政法人国立環境研究所 |
研究代表者 |
佐竹 研一 独立行政法人国立環境研究所, 大気圏環境研究領域, 総合研究官 (50101051)
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研究分担者 |
高松 武次郎 独立行政法人国立環境研究所, 水土壌圏環境研究領域, 室長 (60109915)
角田 欣一 群馬大学, 工学部, 教授 (30175468)
古田 直紀 中央大学, 理工学部, 教授 (90101055)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
9,800千円 (直接経費: 9,800千円)
2001年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2000年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1999年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
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キーワード | 環境汚染 / タイムカプセル / 入皮 / 鉛汚染 / 安定同位体 / ヒ素 / 日光 / 外樹皮 / 鉛 / 安定同位体比 / シェフィールド / 環境汚染物質 / ウラニウム / 銅 / 汚染の歴史 / ICP-MS |
研究概要 |
環境汚染のタイムカプセル樹木入皮研究のため、西暦2000年12月日光中宮祠で採取した樹齢250年のミズナラ(Querus crispula)について、その年輪、入皮、着生コケ植物に含まれる鉛の量と鉛の安定同位体比をICP-MS質量分析計を用いて測定した。その結果、5年間隔で採取した年輪に含まれている鉛の濃度は0.01-0.1mg kg^<-1>の範囲で変動し、過去250年間から今日に至るまでの一定の増加傾向は認められなかった。これに対し、入皮に含まれる鉛の量は0.1-10mg kg^<-1>の範囲を示し、1875年以降増加する傾向が見られた。また、外樹皮上に分布していた着生コケ植物の茎葉体中の鉛の濃度は17mg kg^<-1>を示していた。更に、入皮に含まれる鉛の安定同位体比(^<206>Pb/^<207>Pb)は1964年以降1.18から1.16へと減少し、鉛汚染のもととなる鉛の起源が変化していることを示していた。また、着生コケ植物に含まれる鉛の安定同位体比と同じ値(1.16)を示していた。以上の結果は、入皮が明治開国以降の日本の産業化に伴う鉛汚染をよく反映しており、大気起源の鉛汚染のモニタリングに有効な環境試料であることを示していた。しかし、年輪の有効性は汚染物質の化学種によって異なるようで、鉛については汚染の時系列変化を反映しなかったが、ヒ素の汚染に関しては入皮に含まれるヒ素の時系列変化と年輪に含まれるヒ素の時系列変化は極めてよく一致していた。
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