研究分担者 |
大久保 賢治 岡山大学, 環境理工学部, 助教授 (50135612)
松本 淳 東京大学, 理学系研究科, 助教授 (80165894)
林 泰一 京都大学, 防災研究所, 助教授 (10111981)
吉田 勲 鳥取大学, 農学部, 教授 (40038237)
石井 将幸 島根大学, 生物資源科学部, 助教授 (50293965)
寺尾 徹 京都大学, 防災研究所, 助手 (30303910)
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配分額 *注記 |
15,940千円 (直接経費: 14,500千円、間接経費: 1,440千円)
2001年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2000年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
1999年度: 5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
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研究概要 |
バングラデシュにおける洪水災害機構を明らかにするためには,降水について気象学的アプローチが重要となる.モンスーン季にダッカの気象局本部において一日に4回もしくは8回のゾンデ観測を行い,大気の鉛直構造の日変化について調査を行った.その結果,対流圏の気温・温度・風の日変化に関する基本的な情報を得ると共に,レーダーデータとの比較より,降水の日変化パターンと関連付けて論じられることを示した.これらは,今後,局地豪雨の発生予測や大規模な気象現象変動の解析など,さまざまな研究への発展が展望できる重要な基礎資料となる. 氾濫湖の消長について,周辺の高位部よりの雨水流出解析法を確立するとともに,氾濫湖中の流れを2次元不定流,河道流を1次元不定流とする数理モデルを構築した.更にこのモデルを用いて,ハオールの開発の可能性を検討した.輪中形式で農地を造成しても自己流域の雨水排水のために大規模なポンプが必要になるため,バングラデシュには適さないこと,湖底を浚渫し,その土で高位の土地を造成することが、初期投資は多額であるが最も適することなどが明らかになった.水資源確保の観点より,低平地ダムの可能性について検討を加えた.氾濫湖を利用して生活している地元住民の同意が得られるかが大きな問題である. 氾濫湖の資源的役割と住民生活との関連について聞き取り調査を行った.ハオール近傍の住民は漁業収入への依存度は高いが,漁業収入は不安定であるため,比較的安定した収入が得られる農業を望む傾向が強いことが明らかになった.さらに,パックテストを用いて,水質調査を行ったところ,一部の地域を除いてほとんどの地域で汚染が進んでおり,水道水源や水浴には不適であることが明らかになった.我が国の基準に当てはめると,工業・農業用水の水質に相当する.洪水対策とともに,汚濁負荷削減の検討を早急に始める必要があるといえる.
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