研究課題/領域番号 |
11691154
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
建築史・意匠
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
伊藤 重剛 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (50159878)
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研究分担者 |
星 和彦 前橋工科大学, 助教授 (70269299)
岡田 保良 国士舘大学, イラク古代文化研究所, 教授 (70138171)
堀内 清治 熊本大学, 名誉教授 (70040350)
勝又 俊雄 女子美術大学, 芸術学部, 教授 (70224475)
林田 義伸 都城工業高等専門学校, 教授 (00149999)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
25,030千円 (直接経費: 22,900千円、間接経費: 2,130千円)
2001年度: 9,230千円 (直接経費: 7,100千円、間接経費: 2,130千円)
2000年度: 7,100千円 (直接経費: 7,100千円)
1999年度: 8,700千円 (直接経費: 8,700千円)
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キーワード | メッセネ / 古代ギリシア建築 / 家型墓 / 地中海建築 / 設計技法 / 施工技術 / 現地調査 / 設計法 / 施工法 / 古代都市 / 古代建築 / 墓 / 都市計画 / スタディオン |
研究概要 |
本研究は、ギリシアのペロポネソス半島に位置するヘレニズム時代の古代都市メッセネにおいて、発掘調査によって出土した3基の家型墓の調査および研究である。調査は、メッセネ考古学協会との共同研究であり、クレタ大学のテメリス教授を中心にしたチームによって発掘された建築遺構を日本の建築調査隊が記録を作成し、研究するという共同調査であった。 出土した3基の家型墓は、メッセネの市域の南端に位置するギムナシオン(体育施設)に隣接する形で建設されていた。ギムナシオンの中心施設はスタディオン(競走場)で、これらの家型墓はスタディオンへの観客に対してその形を誇示するかのように、門のすぐ脇に並行して配置されていた。建設年代は、厳密にはまだ決定されていないが、紀元前3世紀末から2世紀末にかけて、一つずつ建設されていったと見られる。 1号墓は最も立派な墓で、長さ6m幅3mの横長の墓で、正面から見ると両側に翼部が付いており、左右対称性を強調したヘレニズム的な性格の強い建物である。上部はあまり残っていないが、室内からライオンの彫刻が出土し、これが屋根の上に載せられていたと思われる。1号墓はスタディオンを囲む柱廊の入口正面に位置しており、観客に対して非常に強い印象を与えたものと推測できる。2号墓は4m角の正方形で、これも上部構造が残っていないが、屋根はおそらくピラミッド型をしていたものと思われる。注目すべきは3号墓で、これは4.5m角の正方形平面で、軒高さが2m、この上に円錐形で反りのある屋根をもっていた。つまり四角い箱形の本体の上に、仏舎利塔のような屋根が載っていた。3号墓では元の部材のほとんどが残っていたので、ほぼ完全に元の形を復元することが出来、現在、現場においてこれらの部材を用いて仮復元されている。今回の調査の最大の成果は、この3号墓に関するものあった。
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