研究課題/領域番号 |
11691164
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
基礎獣医学・基礎畜産学
|
研究機関 | 帯広畜産大学 (2000-2001) 北海道大学 (1999) |
研究代表者 |
杉本 千尋 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 教授 (90231373)
|
研究分担者 |
井上 昇 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 講師 (10271751)
藤崎 幸蔵 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 教授 (00292095)
長澤 秀行 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 教授 (60172524)
福士 秀人 岐阜大学, 農学部, 助教授 (10156763)
高井 伸二 北里大学, 獣医畜産学部, 助教授 (80137900)
大橋 和彦 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助手 (90250498)
小沼 操 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (70109510)
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
11,700千円 (直接経費: 11,700千円)
2000年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
1999年度: 6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
|
キーワード | タイレリア / バベシア / 原虫病 / 野生動物 / 系統進化 / ヘルペスウイルス / ロドコッカス / rRNA遺伝子 / 原虫 / 馬ヘルペスウイルス / Rhodococcus equi / 住血原虫 |
研究概要 |
ある種の動物、人の病原体は野生動物社会と人間あるいはその飼育動物社会との間を往来し、種々の疾病を引き起こす。本研究では野生動物と人間、家畜が密に接触する機会の多いアフリカをフィールドとして、原虫、ウイルス、細菌を含む各種病原体を家畜・野生動物、あるいは生息環境(土壌)から分離し、遺伝子解析から生物学的、生態学的障壁を乗り越え、病原体が宿主域を広げてゆけるのか検討した。 ウシあるいはヒツジのTheileria原虫は大きく、良性タイレリア群と強病原性タイレリア群に分類されるが、野生動物由来のタイレリア種はこれら反芻家畜由来のタイレリア群とは系統進化的には離れていた。ウシ由来タイレリア原虫に関して、rRNA遺伝子塩基配列から個体毎の感染状況を検査した結果、Theileria oroentalisなど4種が混在していることが明らかにされた。 馬飼育地の土壌からRhodococcus equiを分離し、強毒プラスミド保有株の存在を確認したが、そのタイプは欧州の馬から分離される型と同一であった。このことは強毒プラスミド保有株が欧州から持ち込まれ、南アの自然環境に定着したと考えられる。ヘルペスウイルスに関しては、DNAポリメラーゼを標的とするPCRにより、5種のレイヨウおよびサイからウイルス遺伝子が検出された。インパラ由来ヘルペスウイルスはウシなどの反鯛家畜由来ヘルペスウイルスとはかなり類縁性が低いものであった。 以上のように、以上調査した病原体は宿主と共進化を遂げてきたと考えられ、アフリカの様に野生動物と家畜が密に接触しうる環境下でも、あらゆる病原体が「種の壁」を自由に乗り越えることによって新たな宿主を獲得し進化を遂げてきたとは考えにくいと結論づけられた。
|