研究課題/領域番号 |
11691171
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
農業土木学・農村計画学
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
水谷 正一 宇都宮大学, 農学部, 教授 (70093143)
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研究分担者 |
田村 克己 国立民族学博物館, 教授 (40094156)
斉藤 照子 東京外国語大学, 外国語学部, 教授 (70162211)
後藤 章 宇都宮大学, 農学部, 教授 (80162139)
西山 未真 (西山 末真) 千葉大学, 園芸学部, 助手 (70323392)
伊谷 樹一 京都大学, アジア・アフリカ地域研究科, 助教授 (20232382)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
10,200千円 (直接経費: 10,200千円)
2000年度: 5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
1999年度: 5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
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キーワード | 水利システム / 社会規範 / 農村社会経済 / 伝統農法 / 労働慣行 / 物質循環 / 農村計画 / 潅漑技術 / 灌漑技術 |
研究概要 |
1.上ビルマのマンダレー管区ミッター郡の二つの村、すなわちチンユワ村落区とチャードウィン村を対象に1999年と2000年の2ヶ年に亘り現地調査を行った。また、この期間に日本国内で4回の研究会をもち、さらに2000年3月にはビルマ側の研究協力者を交えたワークショプを東京で開催し、2000年11月にはヤンゴンにおいて研究成果の一部をミャンマー農学アカデミー主催のセミナーで発表した。研究成果の概要は次の通りである。 2.上ビルマのミッター郡においては、不足する降水量を補うための灌概システムが500年以上前に成立し、持続可能な作物栽培方式が成立していた。約10年前にパンラウン川上流に築造されたキンダーダムの効果を検証した結果、チャードウィン村では灌漑面積の著しい拡大に伴って新品種が導入され、作物の作付けパターンの変化を促し、農業生産水準および生活水準の改善が認められた。他方で、チンユワ村落区では不安定な用水供給に災いされて農業生産システムの変化は緩やかなものの、土壌条件・市場条件に対応した合理的な農業が営まれていることを確認した。 3.チンユワ村落区において農家の家族関係を詳しく調査した結果、子弟の経済的な条件を考慮した両親による様々な支援システムの成立が認められ、子弟の独立を重視する家族関係が明らかになった。 4.チンユワ村落区において1988年以降の市場経済の浸透による農村の社会経済的な変化を調査した結果、土地を持ち現金収入を確保した農家層は農業インプットの増加、土地保有規模の拡大、収穫量と収入の増加を実現している。また、ブローカーを兼業している農家層にも収入の拡大が見られた。しかし、小規模農家および土地無し農民層は、不作や価格変動等による農地の売却、雇用労働の季節変動等による収入の不安定化等で、市場経済のネガティブな影響が見られた。
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