研究課題/領域番号 |
11691193
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
人類学(含生理人類学)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
中橋 孝博 九州大学, 大学院・比較社会文化研究院, 教授 (20108723)
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研究分担者 |
篠田 謙一 佐賀医科大学, 医学部, 助教授 (30131923)
分部 哲秋 長崎大学, 医学部, 講師 (50124847)
山口 敏 国立科学博物館, 人類研究部, 名挙研究員 (80000115)
北川 賀一 長崎大学, 歯学部, 助手 (70186237)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
8,500千円 (直接経費: 8,500千円)
2000年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
1999年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
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キーワード | 古人骨 / 弥生人 / 中国 / 日本人の起源 / 江南地方 / 中国古人類 / 吉林省 / ベトナム |
研究概要 |
1999〜2000年の2年間にわたり、北部九州の渡来系弥生人の源郷を明らかにする目的で、中国各地の新石器時代後半から漢代にかけての古人骨調査を実施した。1998年までの我々の調査によって、長江下流域の春秋戦国期〜漢代の人骨が形態、遺伝子ともに日本の北部九州弥生人に強く類似することが明らかになっているが、その正確な位置づけには、中国各地の古人骨との比較検討を経た上での考察が不可欠である。そのため、上海自然博物館、西安市文物局、及び吉林大学において収蔵人骨の調査を実施した。上海自然博物館には中国西端に位置する新彊ウイグル自治区出土の新石器時代人骨(哈蜜遺跡、B.P.3200)70体余りが収蔵されている。今回、外国隊としては初めて調査する機会を得たので分析した結果、哈蜜集団には著しく立体的な鼻骨形態など、通常の東アジア集団に見られない諸形質の混在が認められ、いわゆるシルクロード沿いの西域との人的交流が遅くともこの時期には始まっていたことが裏付けられた。また、そのシルクロードの東端に位置する西安市の戦国末〜前漢人骨は、哈蜜人骨とは明確に異なり、従来から華北を中心に分布する扁平・高顔傾向を主特徴とする人々との形態的類似性が明らかとなった。また吉林大学では、日本の弥生人との関係を探る上で重要と思われる中国北方、旧満州地域の青銅器時代〜漢代資料の調査・研究を実施した。いわゆる渡来系弥生人の原型とも言うべきこの華北古人類集団の形質や分布域が時代的、地理的にどのような変化を遂げたのか、その解明は今回の調査の主目標の一つである。これまで上記地域の古人骨資料が精査された事例はごく少なく、彼らの形質や地理的広がりの一端が今回の調査によって明らかになった点は今後の考察に非常に有益な知見となろう。また、この2年間を通じて南京市文物局、鄭州大学、吉林大学、及び西安市文物局の研究者計5名を招聘し、講義やシンポジウムを通じて中国、及び日本の古人骨資料に関する理解を深め、今後の共同研究計画についても協議した。
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