研究課題/領域番号 |
11691198
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
環境動態解析
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研究機関 | 国立極地研究所 |
研究代表者 |
神田 啓史 国立極地研究所, 資料主幹, 教授 (70099935)
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研究分担者 |
沖津 進 千葉大学, 園芸学部, 教授 (70169209)
増沢 武弘 (増沢 武宏) 静岡大学, 理学部, 教授 (40111801)
小島 覚 東京女子大学, 文理学部, 教授 (80115138)
和田 直也 富山大学, 理学部, 助教授 (40272893)
中坪 孝之 広島大学, 大学院・生物圏科学研究科, 助教授 (10198137)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
9,000千円 (直接経費: 9,000千円)
2001年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2000年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1999年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
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キーワード | 炭素のシンク / 炭素循環 / 光量子束密度 / フェノロジー / 含水率 / 生態系 / 温暖化 / バイオマス / 氷河後退域 / 植生 / 繁殖 / 雪解け / 性表現 / 一次生産量 / 光合成 / 地表植物 / モレーン / 氷河末端域 / 蘇苔類 / 地衣類 / 藻類 / 土壌 / 植生タイプ |
研究概要 |
1.氷河末端域から種子植物が優占する古い植生に至るまで、ライントランセクトによる調査研究を行った。土壌藻類、地衣類、蘚苔類の地表植物と土壌水分、粒度などの土壌の性質との関連について解析した。氷河から遠ざかるにつれて、藻類、蘚類、次に種子植物が出現した。氷河末後退域の地衣類の挙動がこれまで不明であったが、本研究では氷河末端域で菌類と藻類が地衣類を形成する過程、ライケノゼーションを認めた。水分含量と栄養塩との関係から7つの植物群落型を識別し、植物群落は土壌水分、植生遷移の段階(栄養)に応じて分化することを明らかにした。 2.北極氷河後退域におけるムラサキユキノシタの生育形の違いは繁殖特性の違いと強く関係することを明らかにした。さらに遷移別段階、生育環境別に多数の植物体を採取し、炭素同位体比の測定を行い、水分利用様式との関係を考察した。一方、ムカゴトラノオでは準備段階であるプレホーメションから予測した結果、野外でのフェノロジー調査と生育途中での摘葉実験から、地上に展開する葉の数や、ムカゴの数の決定時期が、雪解けの異なる個体群間で異なっている可能性を示唆した。また、チョウノスケソウの性表現を亜寒帯(アビスコ)、寒帯(ロングイヤービン)と高緯度北極(ニーオルスン)において比較解析された結果、性表現は緯度によって異なることを示唆した。 3.北極陸域生態系の炭素循環に対する温暖化の影響を予測する一環として、高緯度北極域の植物群落における生態系純生産量(NEP)の変動に与える要因を検討した。NEPに影響を与える環境要因として、土壌温度、蘚類群落の温度、ヤナギの葉面温度、光合成有効波長域の光量子束密度(PPFD)、蘚類および土壌の含水率を測定した。結果的に調査期間のNEPの値は-44〜171(平均43)mgCO_2-C m^<-2> h^<-1>となり変動はかなり大きいことを確認した。
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