研究課題/領域番号 |
11691215
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
寄生虫学(含医用動物学)
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
高木 正洋 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (60024684)
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研究分担者 |
谷村 晋 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助手 (60325678)
都野 展子 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助手 (60295102)
津田 良夫 国立感染症研究所, 昆虫医科学部, 室長 (20207393)
沢辺 京子 国立感染症研究所, 昆虫医科学部, 室長 (10215923)
杉山 章 名古屋女子大学, 短期大学部・栄養科, 教授 (30196761)
江下 優樹 大分医科大学, 医学部, 助教授 (10082223)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
13,610千円 (直接経費: 12,500千円、間接経費: 1,110千円)
2001年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2000年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
1999年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
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キーワード | 東南アジア / マラリア媒介蚊 / デング熱媒介蚊 / 環境影響 / 景観生態 / 蚊 / マラリア / デング熱 / 環境 |
研究概要 |
この研究では東南アジアの疾病媒介蚊における環境影響を多面的、総合的に把握分析しようとした。また基盤としての環境を包括的かつ定量的に評価する記載法の開発をめざした。その結果、代表的マラリア媒介蚊であるコガタハマダラカグループ(Anopheles minimus group)のうち石垣島の個体群が、従来の同胞種とは類緑距離に大きな隔たりのある新しい同胞種であることを、タンパク多型とrDNA28Sの第3ドメインに注目したゲノムDNAの塩基配列の比較とクラスター分析により確認した。また、従来混乱のあったインドネシア・ロンボク島の個体群は外部形態から,An.flavirostrisとすべきことも判った。一方、30年に亘るタイ北部のマラリア媒介蚊発生様相の経年変化をトレースした結果、過去の流行地域で現在はマラリアのない地域の媒介蚊は著しく減少しているが、マラリアが未だ深刻な地域では減少していない事実を見出した。また前者の森林減少は微少だが後者では開発により著しく減少していたので森林開発と山地性マラリア媒介蚊発生の関係が示唆された。この地域のマラリア流行要因として人の移動に加えて媒介蚊の趨勢も考慮すべきであろう。デング熱媒介蚊ではネッタイシマカ(Aedesaegypti)とヒトスジシマカ(Ae.albopictus)の吸血行動を誘発する環境要因の違いを野外実験により明らかにした。即ち、タイにおいてCO^2トラップと人囮採集を様々な条件下で実施し、両種の吸血に係る習性を比較した。ネッタイシマカはCO^2トラップでは採れず人囮のみで捕獲された。また飛来密度は屋内で高かった。ヒトスジシマカは茂みでの密度が高かった。殺虫剤抵抗性の変異については、対成長阻害剤感受性に種を問わず性差の存在することが証明された。媒介蚊生息地の環境を包括的かつ定量的に記載する評価手法としてコガタハマダラカ生息環境のデジタル写真画像解析を石垣島と北タイにおいて進め、発生環境を景観生態学的に提示し評価する方法を開発した。以上、研究は概ね順調に経過し当初目標を達成出来た。
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