研究課題/領域番号 |
11691221
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
小沢 友紀雄 日本大学, 医学部, 教授 (80059245)
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研究分担者 |
斉藤 安彦 日本大学, 総合科学研究所, 助教授 (00277485)
笠巻 祐二 日本大学, 医学部, 助手 (60318409)
泉 洋一 日本大学, 医学部, 講師 (20151425)
三ツ林 祐巳 日本歯科大学, 助教授 (80267228)
河村 博 日本歯科大学, 教授 (50130472)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
2000年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1999年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
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キーワード | 自然長寿 / 少数民族 / アンケート調査 / 食品分析 / 血液・尿検査 / 生理機能検査 / 心重量 / 遺伝子 |
研究概要 |
中華人民共和国新彊ウイグル自治区の自然長寿郷とされる和田に居住するウイグル族の老人を、長寿の少ないとされる巴里坤に住むカザフ族を対象とし、さらに両者の中間として両地域に居住する漢民族を含めて、医学的検査を主体とする総合的調査を行った。長寿者は血清のCu/Zn-SODの濃度が比較的たかくまた独特の香辛料ビデイアン・ズラが抗酸化作用の大なることが判明し、長寿との関連が示唆された。カザフ族は高血圧の頻度が高く、昼間血圧と夜間血圧の差も少なく血圧の日内変動も少なかったのに対して、ウイグル族百歳老人では血圧日内変動も大きかった。心拍変動は、ウイグル族の長寿群と老年群では差がなく、副交感神経機能は長寿群で保たれていた。心臓超音波法による補正心筋重量は高血圧の多いカザフ族で大であるとの予想に反し、ウイグル族で大であり、正常血圧のグループの比較でも同様であった。頚動脈エコーで、ウイグル長寿群で内径が大で壁厚も最大であったのに対して、カザフ族では内径より壁厚が大であった。加速度脈波からみたウイグル族老人の機能的血管年齢は,同年代のカザフ族や漢族のそれよりも若いことが示唆された。血清脂質はウイグル長寿群とカザフ族とでは期待されていたのとは逆の成績が得られ、長寿と短命に関わる重要な問題解決の糸口になる可能性が得られた。ホルモン関係の検討では、食塩摂取量の多いパルクンのカザフ族と漢民族で、血漿アルドステロン(PA)が他群に比して同じように低いが血漿レニン活性(PRAはカザフ族より漢民族のほうが高かった。アンジオテンシン変換酵素(ACE)遺伝子多型の検討では,IとDのアレル頻度はウイグル族,カザフ族及び漢族の三つの民族で遺伝的に異なる結果を得た。さらに,ウイグル長寿者の方がDアレルがcontrol群に比べて有意に高かった。現在はリボゾーマルDNA、ApoE、angiotensinogen遺伝子について解析中である。また100歳老人23名と5家族のDNAを採取したので今後寿命に関連する各種遺伝子解析を解析する予定である。平成12年10月のウィグル族の追跡調査では90歳以上のグループの生存率は64.0%、65-70歳のグループでは75.3%であった。死因はは老衰心疾患、肺疾患の他、不明が多くほとんどが自宅で亡くなっていた。
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